『零崎人識の人間関係 零崎双識との関係』西尾維新 [ライトノベル]
零崎双識と”呪い名”集団の殺し合い―通称『小さな戦争』に巻き込まれた人識は、兄を救うため単身”呪い名”と戦闘を繰り広げる。
人間シリーズ最終作。のうち1冊。 時系列順に読むことにしたので、本作は出夢に続く2冊目です。あのとっても変態な長兄が色々と見せ場があるのかと思いきやほとんど出番がなく、兄と敵対してる集団を(不本意だが)代わりに人識が闘う話だった。途中、他の兄たちも出てきて、零崎一族好きにはオイシイ1冊。
ただ、せっかくだからお兄ちゃんと共闘とか、そういった展開も期待しなかったわけではなかったので、少し残念だったなーと思ってたんですよ。今回の戦闘は、ほとんど幻術系で分かりにくい所もあったし。 そしたら、最後の独白。告白。 何なんだよ、この前に出夢読んでてよかった!! あの一言で瞬間涙腺危うくて、相当、人識・出夢コンビが好きなんだと再確認しました。 二人の掛け合いは二度と見れないけど。淡い期待さえ打ち砕かれたけど。残り2冊も楽しみです。
『サクラダリセット5 ONE HAND EDEN』河野裕 [ライトノベル]
サクラダリセット5 ONE HAND EDEN (角川スニーカー文庫)
- 作者: 河野 裕
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/04/28
- メディア: 文庫
シリーズ第5巻。シリーズ当初からお馴染みの野ノ尾さんと眠り続ける女性の話。『青い鳥』がモチーフになっていたようで、「ちょっと信じられないくらい綺麗で、不思議な物語」を改めて読みたい気になった。本編、野ノ尾さんと老人のエピソードが今回一番印象に残りました。当時10歳前後の彼女と孤独に生きることに慣れた老人の交流は、6年後の月日を経て夢の世界での一件に活かされてるなぁと。
彼らや、ミチルとチルチルを思えばリセットして良かったと思えるのだけどケイにはおおきな代償がついて複雑。リセットで失われても、いつか彼女が同じ答を出し変化してくれたらなと思います。甦った少女の思惑や管理局の動きも気になるところ。後半戦、楽しみです。
「誰かと一緒にいなさい。隣にいる人が笑うことを、幸せと呼ぶんだ」
『コーラル城の平穏な日々 デルフィニア戦記外伝2』茅田砂胡 [ライトノベル]
コーラル城の平穏な日々 デルフィニア戦記外伝2 (C・NOVELS Fantasia)
- 作者: 茅田砂胡
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/03/31
- メディア: 新書
久しぶりのデルフィニア戦記は、中編2つに小話1つの外伝です。懐かしい人たちの普段の日常が見られる話でした。思い返せばデル戦は最後に読んだのが外伝で、それも2,3年前になりますが、本編となると5,6年ほど前になるかもしれません。というわけで、本当にご無沙汰だったシリーズでしたが思っていた以上に自分が設定諸々覚えていてびっくりしました。 結構登場キャラはたくさんいると思うのだけど。 やぁ、本当に…シリーズ再読したくなってきた。そうそう、この人はこうだったと懐かしく思いながら堪能しました。
今回は特にお気に入りの銀髪侍女が主役を張ってる話がありましたし(表紙にも懐かしの姿が!)、もう何も言えない。いや、色々言いたいことはあるので下げます。以下、各話感想をつらつらと。どれも面白かったけれど、スーパー家政婦が大活躍する「シェラの日常」が大好き。
『断章のグリム13 しあわせな王子・下』 甲田学人 [ライトノベル]
雪乃は執拗なまでに少年を追いかける可南子に違和感を感じて…? 「しあわせな王子」の配役が明かされたとき、蝕まれた現実は――。
シリーズ第13巻。容赦ない展開、やるせない結末…辛いなぁ。 現実世界に侵食していく泡渦のグロさ加減がうなりますね。阿鼻叫喚の図がイメージされてしまって、早くこの悪夢から解放されたい気分でした。。 段々と被害の規模が大きくなってきたような気がしなくもない、予想以上の最悪の展開。しかも最後の最後で「彼」の暴発があんな事態を招くとは思わなくて、「二人」が好きだっただけにショックです。まさか…。
物語の終末に蒼衣と雪乃に救いがあるのか不安になってきました……。バッドエンドに着実に向かっているような気がしてなりません。風乃の動きも気になります。
◇拍手ボタン◇『祝もものき事務所』茅田砂胡 [ライトノベル]
やる気なし、根性なし、能力なしの所長と敏腕な美人秘書。彼ら2名のみで構成される事務所に依頼人が訪れる。以来内容は到底覆せない厄介なもので―? 「普通」な人たちが送るちょっと特殊な「普通」のお話。
茅田さんの新作。 この人の作品は金銀天使だとか怪物夫婦だとか一般人目指す暗殺者とか…規格外のキャラクターたちが目立つので(笑)、彼らが暴れる作品に比べたら地味ーなお話でした、一応。十分「普通」とは違っているような気がしなくもないのですが。
主人公の所長はあまりにも存在感が地味めだなぁと思いましたが、彼の(否応なしに)発揮されていく能力?がわかると、段々おかしくなって^^ やっぱりタダ者ではなかったんですね。本人としては「普通」でいるはずなんだけど…うん、やっぱり「普通」じゃないよ!
他、
脇に固める4人の幼なじみや有能な秘書もいいお仕事してるなぁと。でも、もっと幼なじみーずにスポットが当たってくれたら嬉しかったです。世話焼きそうな
鬼光くんとか。このメンバーは「桃太郎」登場キャラ名と名前がかけられてたので割とすぐ馴染めました。 睦月ムンクさんのイラストで3割増で好きです、こ
の4人wそして「吾藤田劇場」が凄かった。どこまで突っ走る家系なんだ。。 途中からレギュラーメンバーが色褪せて見えてきたくらいで…(涙)
余談ですが、あとがきに心ときめかずにはいられませんでした!!←
次の新刊も楽しみですが、本作もシリーズ化しないかなぁとひそかに期待してますw 何だかんだで彼らに愛着わいてきちゃった。
『断章のグリム12 しあわせな王子・上』 甲田学人 [ライトノベル]
美しく儚げで哀れな少女に恋をした少年。高嶺の花の存在だった彼女とのささやかだが幸せな交流。しかし<泡禍>の浮上によって彼らの日常は崩壊する。 一方、蒼衣たちに<葬儀屋>の助手・可南子が依頼に訪れ―。
シリーズ第12巻。 今回の依頼者はあの<葬儀屋>(死体を切り刻むことで蘇生する<断章>を持つ)だったし、事情が特殊なだけに何が酷いことが起きるんだろうなと思っていたら…やっぱりそう繋がってしまうのか(涙)。 最初の、少年の仄かな感情が微笑ましかっただけに辛い。さらに展開の転がり方も厳しい…。 正常に見えるのに段々と狂っていく彼の姿。 ううむ…。
蒼衣・雪乃たちにも異変が。 というか、雪乃が!!(ニヤニヤ) いやー、蒼衣は大変な目に遭うけれど、雪乃の動揺する姿が見れるなんて…と状況構わずにやけてしまいました。 殺伐としていて惨いシーンも多々あるシリーズですが雪乃と蒼衣のやり取りが楽しみなので読んでしまうんだよね。。
毎度悲惨でやりきれない結末を迎える本シリーズ。今回も既に上巻からひしひしと嫌な気配を感じられて、下巻に進むのが怖いです。 何が待ち受けているんだろ…。
『零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係』西尾維新 [ライトノベル]
「零崎一賊」―それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。汀目俊希として中学校に通う零崎人識の許に、友人を名乗る人物が現れた。“殺し名”序列一位、匂宮雑技団の次期エース、匂宮出夢である。その口から発せられた『お願い』とは…!?
人間シリーズ最終作。 時系列(出夢→双識→戯言→舞織)で読むことにしたので、まずはこちらから。 ただ単に舞織好きだから最後に取っときたい気持ちがあっただけなんですけどw でも……この本読んでしまったら、出夢くんにアッサリ傾いてしまったじゃないか!(涙)
友人のような恋人のような二人がじゃれてる(ようにしか見えない)掛け合いがほほえましくて好きでした。 最後の対立はある意味特別な関係が築かれたように思えて、泣きたいような嬉しいようなぐちゃぐちゃした気持ち。 とりあえず人類最悪は本当に最悪だ。
よかった、けど痛みが残る幕切れ。 本編の出夢の結末は分かっているから余計に辛い。。残り3冊でも、チラとでも人識が彼を思うようなシーンはないかな。あってください(切実)。
西尾さん、2年ほどご無沙汰してました。さりげなく、超シスコンお兄ちゃんが好きだったり。本編登場ほぼ皆無ですけどね!
◇拍手ボタン◇
十文字青 『薔薇のマリア 14 さまよい恋する欠片の断章』 [ライトノベル]
薔薇のマリア 14.さまよい恋する欠片の断章 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 十文字 青
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/08/31
- メディア: 文庫
一時の平安。ルーシーは着実に歩みを進め、カタリはデートに、ピンプは盃を重ねて、トマトクンは体を休め、ユリカ、サフィニア、マリアはパジャマパーティ!? そしてアジアンは薔薇につきまとう影を追うのだが――!
シリーズ第14巻。 が最終章とのこと、今回は小休止的なノリと次への土台固めな役割っぽかったです。
だってほとんどが恋愛話…あの魚人でさえ入っているなんて(笑)。 いつの間にかこんなにフラグが立っていたとは思わなくて、ニヤニヤし通しですた。 トマトクンとサフィニアは焦点当たっていなかったのが残念!結構好きです、鈍そうな感じの二
人。 荊王が幼子拾って食事を与える場面は密かにツボツボっ。マリア略奪戦に破れた彼にも、(年齢的には危ないけど)少し春が見えてきたような。
そして大本命のお二人。いつもの変態がとある理由で出現を自粛していたのですが、なんっとこれがもどかしかったッ。びっくりだ、びっくりだ。マリアからあんな言葉が出るなんて…!! アジマリ好きにはた ま ら な い 。 この言葉引き出せただけで良かったかも。
最 後にまぁ会ってるし。ニヤニヤ。一方で「彼」の再登場?でマリアの秘密はとんでもなく厄介そうな予感。 なんだかとてもヤバそうな空気がびしばし発してい
るような…気のせい?。。 私、Ver1読んでないから「彼」がマリアにとってどんな人なのかよくわからないんだよね。
でも、どのキャラが不幸になっても、アジアンとマリアにはしあわせになってもらいたいと願う身勝手な奴なので、どうとも言えない。。
『サクラダリセット4 GOODBYE is not EASY WORD to SAY』河野裕 [ライトノベル]
サクラダリセット4 GOODBYE is not EASY WORD to SAY (角川スニーカー文庫)
- 作者: 河野 裕
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/11/30
- メディア: 文庫
未来視の少女・相麻が死んでしまった。その影響で、春埼は、「リセット」ができなくなってしまう。ケイは、春埼の能力を取り戻したいと思うのだが……。壊れそうな世界をやわらかに綴る、シリーズ第4弾!
短篇集。 発売直前まで本編かと思っていたのでちょっと残念に思いながら読み始めたのに…すっごく好きで し た !! 現金でも何とでも。 大好きー!!
本編の前後譚やキャラが掘り下げられるエピソードがたっくさん盛り込まれていて満足でした。 特に春埼が、春埼が可愛くて。 ケイのお見舞いに行くときの苦悩だとか、野々尾さんと親交を深めようとするあたりとか、穏やかな気持ちで(若干にやけながら)読みました。 のち本編に登場するキャラも描かれていたようで、はぁもう続きが楽しみ。
どれも本当に大好きですが、特に最後の話がお気に入り。 ことあるごとに(それはもうしつこいくらいに)私は本シリーズを乙一さんの作品を読んでいるような錯覚に陥りがちで、ここでもよく言ってるんですが、『ホワイトパズル』はその印象が特に強かった気がしました。 なんでも『サクラダリセット』1作目の空気を似せて、かつ若干恋愛寄りに作ったのだとか。 壊れそうな透明感のある雰囲気と仄かにしめつけられるような切なさが味わえる、すごく好みの1作でした。 本編主人公たちはまったく登場してませんが、大好きです!! 良い恋愛ものだったなぁ。
さて堪能したところで、これ本編ではないんですよね。 うーあー、春が待ち遠しいよー。
2010/12読了 *拍手ボタン*
うーん、作者の性別が分からないんですが、後書き読んでると女性的な印象を受けます。男性だったら失礼かもしれませんが^^;
茅田砂胡 『クラッシュ・ブレイズ ファロットの休日』 [ライトノベル]
ファロットの休日―クラッシュ・ブレイズ (C・NOVELSファンタジア)
- 作者: 茅田 砂胡
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/07
- メディア: 新書
連続猟奇殺人事件の犯人(!)だったニコラが、被害者(!?)だったレティにまことに大胆な頼み事を?クラッシュ・ブレイズ、これにて終幕。
うーわー…シリーズ中でも結構上位に食い込むくらい好きかも…! なのにシリーズ「完結」なんて…!! と思っていたら、後書きで彼らの話はまた別の形で出るようなので安心しました。 何だかんだで愛着みたいなものがあるシリーズです。 今回でよーくわかった。
そういや、表紙のふたりが単独で主役になるなんて初めてではなかったっけ? (金銀天使は若干登場したけど) どちらも面白かったです。 レティの話は、ニコラの狼狽ぶりがおかしくて(笑)ご愁傷さまと言いたくなりました。 もう本シリーズでは鉄板かもしれない、一般人が(一般人だと思ってる)非一般人たちの活躍ぶりにおののく姿は見ていて楽しかった。 ヴァンツァーの話は…これまた素敵なご婦人が二人も現れたなぁ。どちらかといえばこちらの話の方が好きかもな。 彼女たちの再登場願いますw もちろんヴァンツァー絡みで。
これでシェラの話もあれば最高に良かったのですが…まぁ、貴重な笑顔を拝めて良かったけど。
2010/11読了 *拍手ボタン*