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『思い出のとき修理します』谷瑞恵 [読書]

思い出のとき修理します (集英社文庫)

思い出のとき修理します (集英社文庫)

  • 作者: 谷 瑞恵
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/09/20
  • メディア: 文庫

勤め先の美容院を辞め、恋人とも別れた明里は、かつて幼いころに一度だけ祖父母に預けられた地へ引っ越す。思い出の商店街を歩くなかで、奇妙なプレートを飾ったお店を見つけて…。

この物語に流れるゆっくりとした時間が素敵で、心地良かった。時間ばかりを気にしている日常から、ほんの少しフラットな気分で時間を見つめなおした一冊。谷さんのお話は久しぶりに読んだけど、少女小説よりも大人な雰囲気と、変わらない細やかな描写が相まっていて素敵だなー。事情があり引っ越してきた明里は、時計屋の青年(通称・時計屋さん)と妙な縁で度々行動を一緒にするんだけど、時計屋さんの物腰が柔らかくて、一緒にいるとほっとするのが伝わってくる。まろやかなぬくもりが感じられて、この二人の距離感がとても好き。

表題の通り、思い出が修理されていく光景には、じんわり暖かい気持ちになった。少し幻想的な描写があるけれど、「そうあってほしい」光景が広がっていて、救いがあったなと。やり直したい、変えたくても過去は変えることが出来ないと分かっていて生きているけれど、時の経過や別の視点から気づくことで過去も変わるのだと思った。

二人の関係は勿論気になるし、さりげなく太一の存在が謎めいていて気になる…。 


タグ:谷瑞恵
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コメント 2

みーはー熊

私も読みました。2が出てて、それも なかなか良いですよ♪
by みーはー熊 (2014-04-14 06:49) 

香穂

☆熊姉さん
熊姉さんも読みましたかっ。
1巻が好みだったので、ぜひ2巻も読みたいと思います!
by 香穂 (2014-04-15 23:17) 

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