『首の姫と首なし騎士 華麗なる背信者』睦月けい [└ビーンズ文庫]
”戦うために必要だからよ” ついにエルマー家が王家に牙を向ける。末っ子姫シャーロットとエルマー家の跡取りセシルとの結婚を迫ってきたのだ。追い詰められ断れない状況にシャーロットが出した答えとは。シリーズ第5弾。
どんどん政争寄りになって、緊迫してきたよ。
気が付けば既に王家が窮地に陥っている状態になっていて、ここから果たしてどう逆転劇が生まれるのかハラハラする。それに、エルマー家はまだ追い打ちをかける”何か”を持っているようで全然気が抜けない。 そんななか、自分なりの戦い方を見出して立ち向かおうとするシャーロットの姿は、今までなかった頼もしさを感じた。派手さはないけれど思慮深く考えた結果の”戦い方”が実を結んで欲しいな…。状況が状況なだけにロマンス成分はしばらくおあずけかも。前巻が糖分出てきただけに、やっぱりちょっと残念。 とはいえ、互い(特にシャーロット)が精神的な主柱になってきたなと改めて思った巻だった。恋のようなすごく甘い感じではなくて、家族を思うに近いあたたかなものを感じるんだよなぁ、この二人。でも家族では生まれない甘さもあって…ジレジレ、やみつき。
シリーズ開始当初はファンタジックなお話かと思っていたので(オーガという生き物が出てくるし)、まさかどっしりした王宮サスペンスが読めるなんてね。
さて次巻のサブタイからしてセシルが出張るのではと思うのだけど…傀儡のままシャーロットを追い詰めるのか、それとも…? 表面通りに受け取っていいのか迷う。(裏をかいてほしい願望・・) 真綿で首を締められるかのような息苦しい状況に打開策はあるのか。一人奮闘するクローヴィスにも進展があればと。
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