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2012年マイベスト [感想まとめ]

172冊読んだ中でお気に入りの10冊+αを選びました。
昨年が201冊だったので激減したものの、思った以上に読んでるなぁという印象。


・ 開かせていただき光栄です-DILATED TO MEET YOU- 
 (皆川博子/早川書房)

開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)

  皆川博子作品に出会った年でした。今年ダントツに好き。
 滲む耽美と背徳な雰囲気、ところどころユーモアにも溢れていて、マジで大好きな世界観にどっぷり浸かりました。ちなみに著作を初めて読んだのが『倒立する塔の殺人』で、その耽美な世界にのめり込んで、本書を2冊目で手にとって完全に落ちました。雰囲気だけでなく、散りばめられた仕掛けに痺れました。(⇛感想




・ 1/2の騎士 (初野晴/講談社文庫)
1/2の騎士 (講談社文庫)大好きな「ハルチカ」シリーズ以外の著作を読んだことがなくて、試しにと思い手に取った本作。少女と騎士の、闘いの物語。 狂おしいほど切なくて重たい、それでいて愛おしい。余韻に浸れる物語は大好きです。ますます追っかけたいと思った作家さんですね。 その後『水の時計』も読みましたが、こちらも透明感な文章で純真で残酷で、一筋の救いを秘めている物語でたいへん好み。(⇛感想

 


・ 金星特急 7 (嬉野君/ウィングス文庫)

金星特急 (7) (ウィングス文庫)最終巻その一。最初から最後まで突っ走ったシリーズでした。勇気と智慧が試される冒険ものとしても、成長ものとしても、恋や友情をかけた青春、たくさんの要素や物語を存分に堪能できる物語。最終巻も、文句なく大満足の着地を見届けることが出来て幸せでした。

 



・ 恋のドレスと白のカーテン ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 
 (青木祐子/コバルト文庫)

恋のドレスと白のカーテン ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)

最終巻そのニ。本編全22巻。最後まで素敵な物語でした。その人が持っている素質をより魅力的に活かす「恋のドレス」を仕立てる少女クリスの恋を中心に、たくさんの恋物語に魅せられました。主要キャラだけでなく、脇のキャラまでも愛着がわいてしまって、それぞれを主役においた話も読みたくなってしまいましたね。恋愛中心ものには苦手意識を持っていましたが続きが気になってしまって仕方ない欲に負けました。最後まで読むことが出来て、本当に良かった。(⇛感想

 
・ ペンギン・ハイウェイ (森見登美彦/角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)今年もモリミーにやられたよ! 海辺の街に突如現れたペンギン。彼らを探求しようと乗り出す僕ことアオヤマくんとお姉さんのお話。 まるで冒険譚のようだとわくわくしながら読んでいたら切なさが待っていて。モリミーは暑苦しく全力で青春を駆け走る青年たちを描く作品を出すイメージを塗り替えたなぁと。変化球のように見せて、でも直球な青春のところは変わらないか。改めて、自分は現実にするりと入ってきたファンタジー好きなんだなぁ。



・  サクラダリセット 7 BOY, GIRL and the STORY of SAGRADA
 (河野裕/角川スニーカー文庫)

サクラダリセット7  BOY, GIRL and the STORY of SAGRADA (角川スニーカー文庫)

  最終巻その三。特殊能力を持つ少年少女たちの、青春と闘いの日々。 本当の意味で悪人が登場せず、だからこそ厄介な人間関係でした。透明感ある文章と、研ぎ澄まされた感情の交差、纏う雰囲気がとても好きです。 同時発売の『ベイビー、グッドモーニング』も、とても素敵でホロリと切なくなる物語。今後も著作追いかけようと思います。

 


・ 続巷説百物語 (京極夏彦/角川文庫)

続巷説百物語 (角川文庫)圧倒された。連作短編(中編ともいえる量ですが。)形式で、最後には又市の大仕掛けが待っていました。京極作品は百鬼夜行シリーズと並行して読んでいるのですが、本シリーズの方が好きかもしれません。キャラの立ち方だと百鬼夜行キャラが魅力的なんですけれど。 仕掛けと言われるトリックと、そこで明かされる人間の業の深さや情念といったモノに引きこまれました。

 


・桜行道 (佐島ユウヤ/講談社X文庫ホワイトハート)

桜行道 (講談社X文庫―ホワイトハート)絶版ですが、とっても好みだったので。時が止まった者と故郷に戻れなくなってしまった迷子の妖が、それぞれの想いを抱えながら妖の故郷を目指す根なしの道行き。選ぶ言葉が、物語に流れる空気がとても心地よい一冊でした。 本書を気に入ったなら、著者は違いますが12年出版の『金木犀二十四区』(三木笙子)とも波長が合うのではと。(⇛感想

 


・ 幽霊伯爵の花嫁 -囚われの姫君と怨嗟の夜会-
 (宮野美嘉/小学館ルルル文庫)

幽霊伯爵の花嫁 囚われの姫君と怨嗟の夜会 (ルルル文庫)今年開拓した少女小説で特にお気に入りのシリーズ。「幽霊伯爵」と恐れられている青年の元に嫁いできたのは、少し毛色の違ったお嬢様で…。ヒロインの強烈的な個性が光ります。いっそ清々しいまでの言動に最初は戸惑うものの、芯の通った姿(綺麗に言えば)に惚れた。己の魅力を分かっていて最大限に活かす人って素敵ですね。糖分のさじ加減もほどよい投入で好み。シリーズ3作目の本作を選んだのは、お嬢様と使用人の関係が!とてもツボだったからです。(⇛1巻感想


・ 英国マザーグース物語 哀しみのロイヤル・ウエディング 
 (久賀理世/コバルト文庫)

英国マザーグース物語 哀しみのロイヤル・ウエディング (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)子爵家の令嬢が身分と性別を偽って新米記者として、恋と事件に駆け回る物語。 好みの話だなぁと思っていましたが3作目の本作にして大好きになりました。1年後には兄が決めた婚約者と結婚しなければならないヒロインが、新聞社で組んだパートナーが実はその相手だったという、知らぬは本人ばかりな背景にニヤニヤしつつ。押し出し過ぎない控えめな甘さと家族愛が丁寧に描かれているところがお気に入りです。(⇛1巻感想


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こっちゃん

明けましておめでとうございます。ヽ(^。^)ノ
はじめてコメントさせていただきます。
京極先生の本は惹かれますね。
年間読書数が200冊くらいですか。
私とほぼ同じくらいですね。
これからも読ませていただきます。
by こっちゃん (2013-01-03 09:55) 

ミナモ

☆こっちゃんさん 
あけましておめでとうございます。
ご訪問ありがとうございますっ。
京極先生の本書に興味を持っていただけたなら、
是非シリーズ第1巻の『巷説百物語』からオススメいたします!
ブログ拝見しましたが、読書家ですね。
度々参考にさせていただこうと思います~。
by ミナモ (2013-01-03 12:48) 

あきえもん

英国マザーグース物語、ずっと気になっていました。
つられて(?)読んでしまうかも。
そういえば、ペンギン・ハイウェイも読んでみたいと思っていたんだった・・。

読みたい本がたくさんで大変!!(笑)
by あきえもん (2013-01-13 11:48) 

ミナモ

☆あきえもんさん 
オッ目に止めていただけましたか!(笑)

ヴィクトリアン・ローズ・テーラーが好みでしたら、本シリーズもオススメ
しますよ~! イラスト担当のあきさんは相変わらず素敵な挿絵を
仕上げてくださっています。

ペンギン・ハイウェイは、モリミーの印象を良い意味で裏切った作品
でした。良いです良いです。
と、色々推してばかりになっちゃいましたね…^^;

私も、今年も読みたい本が沢山で悲鳴をあげています!
by ミナモ (2013-01-13 18:03) 

うらり

こんばんは。今更ながら新年あけましておめでとうございます←
昨年度からバタバタした日々が続いておりまして、ご挨拶遅れてしまいました・・・。今年も良かったら宜しくお願いします。

「聞かせていただき光栄です」と「1/2騎士」はどちらも気になっていた本です。
その後、ミナモさんの感想を読んで絶対読もうとこっそり決意しました(笑)
少女と騎士の闘いの物語で、切なく重い・・・じゅるり。はっ、失礼致しました…。

最近、「夜は短し歩けよ乙女」を読み終わりまして(物凄く面白かったです。乙女の可愛さにやられてしまいました)次に読むものを検討中の現在。「ペンギンハイウェイ」物凄く惹かれます。でも、「恋文の技術」も捨てがたく・・・(以下略)

今年もベスト記事楽しませていただきました^^

他の作品にも色々と思うところ(今年こそはサクラダリセット読みたいなぁ。マザーグース面白そうだなぁ・・・等々)がありますが、長くなりそうなので止めておきます^^

何時も、お仕事お疲れ様です。
まだまだ寒い日が続いていますので心身共にご自愛くださいね!
長文失礼致しました。
by うらり (2013-02-03 23:12) 

ミナモ

☆うらりさん 
こんばんは!
あけましておめでとうございます!ご挨拶ありがとうございます~。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。

開かせて~、1/2~は、どちらもオススメなんですよ~。
やや、私の感想で興味を持っていただけるとは…にやついてしまいますね(笑)
特に1/2の騎士は少女漫画にしては重たい要素がありますが…ひとつの青春の物語なので、きっとうらりさん気に入るのではないかなーと希望的観測ですw

わっ「夜は~」読了されたのですね!モリミーの中でもお気に入りの作品なので、嬉しいです。
どちらかといえば、系統が似てるのは「恋文の技術」なので(こちらも大学生男子が主役)、本書を読んでどっぷりモリミーワールドに浸かった後、
「ペンギン・ハイウェイ」で新境地を目の当たりにするのも、面白いかもしれませんね。

記事も読んでいただき、ありがとうございます。
色々と興味を持ってもらえたようで、布教が成功しそうな予感です…フフフ。
少女小説では、マザーグースおすすめですよ! 昨年辺りからじわじわキておりまして、3巻目ですっかり大のお気に入りシリーズになったのですが最近出た新刊で更に好きになりました。ここまで、驚かされる作家さんとは知らず…。まだ巻数も少ないので、よければ是非^^ 絵も素敵ですよ~。

ではでは、寒さ厳しい季節なので、うらりさんもお身体ご自愛くださいませ!
またお待ちしております~^^


by ミナモ (2013-02-07 23:11) 

モカ

こんにちは。先日Twitterでお話しさせて頂いたモカです。
少し前に開かせて〜読み終えました!長くなったのでTwitterではなくこちらにコメントすることにしました。
この本を読もうと思ったのは、私もミナモさんと同じく倒立する塔の殺人が初皆川作品だったので親近感が湧いたせいでもありました。倒立する塔の殺人も好きです。

私はミステリでは屍体登場シーンが特に好きで、どんな殺され方をしたんだろうとワクワクするのですが、開かせて〜は屍体と美少年が同じ場に居合わせたのでどちらに集中すればいいか気が散ってししまい、その感じがふたりの美少年に惑わされる体験のようで、物語の世界に入り込めたように感じられて楽しかったです。皆川作品はどっぷり浸る感覚が心地好いです。
続編が出たら読んでみたいですね!あのふたりのその後が見れるのでしょうか…。
by モカ (2013-03-07 22:57) 

ミナモ

☆モカさん
こんばんは、こちらでは初めましてですね!
コメントありがとうございます^^

記事で興味を持っていただくとは、書いて良かったです。少し照れますが。
屍体登場シーン好きには、今回戸惑ったのではないでしょうか。(フェイクがありましたしね)
美少年が(恣意的に?)醸し出す雰囲気にあっさりやられて、耽美な世界にどっぷり浸かってしまいました。皆川さんの描く世界は、吸引力が素晴らしいですよね!
続編は書くとおっしゃっていましたし、数年後を予定とのことなので、私も二人の描写を期待してます! 氏の作品は、たっぷりあるので続編が出るまでは他の作品で浸りつつじっくり待とうと思います☆

あちらでも、よろしくお願いいたします~。ありがとうございました^^
by ミナモ (2013-03-09 23:39) 

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