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2016年マイベスト [感想まとめ]

2016年は65冊読了。
五感を使って楽しんだ読書が多い印象。改めて本を読む楽しさをかみしめるような年だった気がする。
以下、マイベストです。

恩田陸『蜜蜂と遠雷』
ここ数年の著作の中ではダントツにお気に入り。系統だと『チョコレートコスモス』を彷彿とするような、臨場感と興奮が味わえた。ピアノコンクールを舞台に挑む者たちの音の調べに魅了される。彼らが奏でる曲は正直知らないけれど、想像上で聞こえた気になる不思議さに、興奮と知らない体験からの恐怖がこった混ざった状態で読みふけた。冒頭から最後まで、興奮冷めず駆け抜けた一冊。

原田マハ『楽園のカンヴァス』
文字から情景を読み取り、想像を膨らませる。絵を知らなくても想像から楽しませて、ルソーの世界へどっぷり浸かれる一冊。新しい世界を知ることへの感動と歓び。感謝の気持ちで読了した。

小川一水『天冥の標1 メニー・メニー・シープ』
壮大なスペースオペラを、ついに手を出してしまった。面白すぎて興奮がしばらく冷めなかった一冊。おそらく各巻ごとに時代も舞台も主要人物たちが変わっていくようだけど、違う話のようでも実は色々と話は繋がっていて、巻が進むごとにその繋がりや、真相が分かってきて痺れる。1巻は壮大なSFの世界観を見せつけられ、2巻は地球上で発生したパンデミックもの、そして3巻は美少年が率いる宇宙戦闘もの!まだ3巻途中とはいえ、すっかりシリーズに魅了されている。どんな驚きや楽しみを見せてくれるだろう。

伊藤計測『ハーモニー』
犯罪や病気の無い調和された幸福な世界。蔓延っている負の要素を徹底的に排除した社会は、わたしという魂が存在しうる世界なのか。投げかけられた問いに、自分なりの答えを見つけては、また咀嚼して考えてこんでいく。もう著作が読めないは、本当に寂しい。

古野まほろ『ぐるりよざ殺人事件 セーラー服と機関銃』
独自の風習が構築された絶対的世界で突如起きた殺戮。迫りくる脅威に対し、少女たち持ち前の才能と機転をもって手口、動機、犯人像を畳みかけるように暴いていくラストには痺れた! 
ちなみに今年初めて金田一耕助シリーズを読んだけど、かなり好みで、設定雰囲気展開が本シリーズは似ているなぁと。美少女、 閉鎖的な村、不気味な因習、おぞましい殺戮…。

パトリック・ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』
文字を読んでいて匂いを感じ取る異常体験をした一冊。匂いたつ文章に眩暈がしそう。至高の匂いを求めて一心不乱に切り拓いていく男の一生が、その手段が不気味かつ鮮烈で、目が離せなかった。倫理に反した生き方を読んでいるのに、ブラックユーモアな雰囲気で面白く読んでしまった。 

米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
ロシア語通訳の著者がソビエト学校に通いプラハで過ごした少女時代と、旧友を訪ねて再びかの地に降り立った時の体験を綴ったエッセイ。少女の目を通してみた世界と、世情によって変わってしまった友人たちに向ける感情は何とも言えない。ふるさと―故郷とは何なのか。わたしが持つ考え、倫理観、思想はわたしだけの意思で決定されているのか。考える。

妹尾ゆふ子『翼の帰る処5・下』
祝・完結!何度も何度も繰り返し読んでは、ヤエトの視る世界に夢中になった。いつまでも読み続けたいシリーズだったので、完結は大変嬉しい反面、凄まじく寂しい。。。 神が人前で体現するファンタジー面にも興奮したけれど、人が息づいていると実感する何気ない日常(謀略やら戦闘やら物騒なことはあるものの、それをひっくるめて)がとてもいとおしく。最後まで楽しかった。


蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/09/23
  • メディア: 単行本


楽園のカンヴァス (新潮文庫)

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/06/27
  • メディア: 文庫


天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 小川 一水
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/09/30
  • メディア: 文庫


ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 伊藤計劃
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/08/08
  • メディア: 文庫


ぐるりよざ殺人事件  セーラー服と黙示録 (角川文庫)

ぐるりよざ殺人事件 セーラー服と黙示録 (角川文庫)

  • 作者: 古野 まほろ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/01/23
  • メディア: 文庫


香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)

香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)

  • 作者: パトリック ジュースキント
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 文庫


翼の帰る処 5 ―蒼穹の果てへ― 下

翼の帰る処 5 ―蒼穹の果てへ― 下

  • 作者: 妹尾 ゆふ子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

  • 作者: 米原 万里
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2004/06/25
  • メディア: 文庫

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2015年マイベスト&10周年!でした [感想まとめ]

明けましておめでとうございます。

昨年の11月にて、当ブログも開設から10周年を迎えました。 開設当初から大分環境も変わり、年々、浮き沈みが一段と激しくなる中、こうしてのんびりダラダラと書いていられる場所もやっぱり無いとなぁと感じています。読書メーターやtwitterのような気軽に記録や呟きを書ける媒体は大変ありがたいと身に沁みておりますけども!
とはいえ、現状がっつり書く機会が作れないので、どうしても活動はtwitter寄りになってしまうのですが、今後もまったり暫く続けていこうと思います。

さて昨年の振り返りですが、28冊読了でした。何か月も1冊も読んでいない時期もあったのか…。最近は電子書籍が大活躍中です。kindleでしか読んでないけれど、他にも良いサービスがあれば手を伸ばそうかな。

そして個人的マイベストはこちら。選んだ作品、すべて初読み作家さんだった!珍しい。

阿部智里『鳥に単は似合わない』 ⇒感想記事
昨年の夏にガツンと衝撃を与えた一冊でした。八咫烏の世界観や情景にすっかりのめりこみ、宮廷の姫君たちの競い合いは、酒見さんの『後宮小説』を読んでいるかのような贅沢な感覚に取り込まれていたので、中盤から終わりにかけての展開の転がり方に驚きました。そ、そう転がっていくのか…!少女小説読みさんには特に好きではないかな!とってもお気に入りです。続編は主従コンビが活躍するとのことなので、ぜひ読みます。(色々仕掛けがあるんだろうなぁ)

白川紺子『下鴨アンティーク アリスと紫式部』 感想記事
副題の組み合わせに惹かれて手に取った一冊でしたが、想像以上のストライクゾーンに入った! 文学作品の縁から人の想いを紐解く展開にほっこり。ほんのり糖分ものせていて、読んでいて幸せな気分になれました。

夏目翠『クリムゾン・ヴァンパイア』シリーズ(全3巻)
吸血鬼(異形)の現代ものって、どうも惹かれてしまう。このシリーズは最後まで、少し殺伐していて、人の掛け合いが生々しく描かれて、かつ糖分も徐々にしっかり撒かれていて大変おいしかったです。こういうの弱いんだよ!

古野まほろ『セーラー服と黙示録』 ⇒感想記事
女子高生を中心とした謎解きが中心の物語だけど、三人の女学生が自らの得意分野で真実を突き詰めていくのが面白かった!でも、謎解きが終わった後で出てきた「真実」の奥深さにぞっとさせられました。深淵の一部を垣間見てしまって、表紙の女学生に惹かれて買った時の何となく予想してた物語と違っていて、思いもよらない思想に触れました。続編が今月出るようなので、楽しみでしゃーないです!


烏に単は似合わない (文春文庫)

烏に単は似合わない (文春文庫)

  • 作者: 阿部 智里
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/06/10
  • メディア: 文庫


下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)

  • 作者: 白川 紺子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/01/20
  • メディア: 文庫


初恋時 - クリムゾン・ヴァンパイア (C・NOVELSファンタジア)

初恋時 - クリムゾン・ヴァンパイア (C・NOVELSファンタジア)

  • 作者: 夏目 翠
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/01/23
  • メディア: 新書


セーラー服と黙示録 (角川文庫)

セーラー服と黙示録 (角川文庫)

  • 作者: 古野 まほろ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/09/24
  • メディア: 文庫

 

※2016/1/16 追記…設定の不具合?で、当記事の管理者からのコメントが投稿エラーになってしまいます。。コメントのお返事ができず申し訳ありません。引き続き、確認を行っております。


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2014年マイベスト&9周年でした [感想まとめ]

あけましておめでとうございます。

昨年は常日頃から浮き沈みがあった更新が下半期からはいっそう頻度が下がってしまい、9周年を過ぎても更新できぬまま新年を迎えてしまいました。
今、新鮮な感覚で記事を書いているなんて不思議ですな。。

昨年を振り返ると、春ころまでは色々と読んでたのかなと。春先頃から新堂本兄弟にはまり当番組の終了(…)時期に仕事が立て込み始め、そのまま師走まで駆け抜けた印象。12月はTwitterもろくに出てきてないんじゃ。。記憶がない。そしてあまり振り返りたくない。 

結果として昨年は60冊しか本読めてなかったのでした。一昨年から半、減…?
今年こそは楽しく読書したいな!とはいえ、春が来るまでは色々と落ち着かなさそうだけど。。
ひとまず個人的な恒例なので、マイベスト本をば。

城平京『名探偵に薔薇を』
歪な殺人者と対峙する少女探偵の闘いの痕。余韻と呼ぶには重い衝撃で、読了後しばらく打ちのめされていた。ただ彼女たちのことを思うと感傷的になってしまうのは余韻というのかな。



糸森環『she&sea 海賊王の退屈』
突如異世界に降り立った少女が、道理も倫理も伝わらない海賊の世界で奮闘する。ネット小説で著者が公開されていたなかで一番好きなシリーズの書籍化。書籍化に伴いオリジナル要素も練りこまれ、ネットと書籍で二度楽しめる仕様。十代のわたしの一時期の救いにもなったので本作については愛が深すぎる。現実世界を一時忘れさせる世界観と魅力的なキャラクタたち。そして現実と向き合う勇気を当時のわたしに持たせてくれました。別シリーズ『F』の書籍化もバンザイ!


太田紫織『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』シリーズ(1~5巻)
骨を愛してやまない奇妙な美女・櫻子さんと彼女に振り回される正太郎が出会う謎の数々。ライトミステリ?(というジャンルがあるか定かではないけれど…)いくつか読んだなかで本シリーズが特にお気に入り。人の死に寄り添い、亡くなったひとたちの造詣を丁寧に描かれているからか、情が入りやすくなっているのかな。単発ものかと思っていたら、ここ最近別の方向に向かっている様子なので、この物語の終末がどこに向かうのか気になるところ。ライト系だと高里椎奈さんの『うちの執事の言うことには』もお気に入り。

原田マハ『ジヴェルニーの食卓』
名を馳せる画家の人生と関わりを持った女性たちの追憶を描く。文字から情景が鮮やかに広がっていく感覚に茫然。余りにも好みで鳥肌が立った。舞台の美しい描写、画家と語り部との関わりがもたらす包み込むような温かいやり取りがたまらない。あらすじ知らないまま手に取ったものだから、余計に衝撃がありました。いつまでも本書で紡がれる空間に浸っていたい。


名探偵に薔薇を (創元推理文庫)

she&sea 海賊王の退屈 (単行本)

櫻子さんの足下には死体が埋まっている (角川文庫)

ジヴェルニーの食卓

 


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2014年3月のまとめ [感想まとめ]

8冊読了。
春アニメ放送間近のなか、ようやく1話を見始める冬アニメがちらほら。

◆3月のお気に入り◆
『名探偵に薔薇を』 城平京
 鮮やかな逆転劇に惚れた1部、そして1部の高揚感を一気に得も言われぬ―別の感情へ変換されてしまった2部。読み終えてしばらく何もてがつけられないくらい、ガツンとやられました。→感想

『she&sea 海賊王の退屈』 糸森環
 web版から応援していた物語がついに書籍化。書籍化に伴い導入部と終わりに変更はあったものの、大筋は変わらず笹良の異世界での奮闘ぶりが光る一冊でした。好きー。→感想

『ばけもの好む中将 平安不思議めぐり』 瀬川貴次
あやかしの仕業に見せかけて、全て人による仕掛けを情念と絡めて描いていて面白かった。あやかし好きの中将と無理やり中将に絡まれてしまった中流貴族の青年コンビも楽しい! 2巻も面白かったです。→感想

名探偵に薔薇を (創元推理文庫) she&sea 海賊王の退屈 (単行本) ばけもの好む中将 平安不思議めぐり (集英社文庫)

 


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2014年2月のまとめ [感想まとめ]

7冊読了。
やっぱりね! ソチオリンピックもあるから、あっという間だと分かってたよ。
とはいえ、2月…2月やーい。。

◆2月のお気に入り◆
『パーフェクト・ブルー』 宮部みゆき
 犬視点が面白いなぁ。一見怨恨に見えた事件が他の語り部が登場することでどんどん様相が変化していって…。真相は酷く、「もしも」と思わずにはいられなかった。

『仮)花嫁のやんごとなき事情 離婚できたら一攫千金!』夕鷺かのう
 面白かったー!初っ端から印象最悪な二人が段々意識が変化していく様子がニヤニヤする! 続きは既に入手済なので、楽しみー。


パーフェクト・ブルー (創元推理文庫)(仮)花嫁のやんごとなき事情 ~離婚できたら一攫千金!~ (ビーズログ文庫)


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2014年1月のまとめ [感想まとめ]

9冊読了。
1月ってどこ行っちゃったんだろう…。中旬以降の感覚がおかしい…一日一日が濃いはずなのに気づけば2月になっている不思議。

◆1月のお気に入り◆
『レディ・ガンナーの冒険』 茅田砂胡
芯の強い女の子が活躍するお話は本っ当楽しいな! 茅田作品の中ではめずらしい、比較的普通の女の子が主人公というのも新鮮でした。 →感想

『冬虫夏草』 梨木果歩
まさかの『家守綺譚』の続編。現と異界との境が曖昧な世界観にうっとり。→感想

レディ・ガンナーの冒険 (角川文庫) 冬虫夏草

 

 

 

 

 


1月は個人的に情報収集の月だったような。ツイッターの素敵なタグのおかげでわんさか読みたい少女小説が出来たり、翻訳ファンタジーでのおすすめもがっつりいただいたりで、豊作…。ひとまず落ち着いたら『ガイユの書』とか『砂漠の花』とか『姫神さまに願いを』とか『レヴィローズの指輪』も読み返したいな。ちょっと昔のコバルト文庫のファンタジーは本当に個人的ツボばかりなもので。。

ちなみに今気になっている少女小説。巻数多いものもあるけど、手を出してみたい…!
『春の窓』安房直子/ホワイトハート文庫(全1巻)
『足のない獅子』駒崎優/ホワイトハート文庫(全10巻)
『キターブ・アルサール』朝香祥/ビーンズ文庫(全3巻)
『丘の家のミッキー』久美沙織/コバルト文庫(全10巻)

続く


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2013年マイベスト [感想まとめ]

明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。
浮き沈みの多いブログですがお付き合いいただけると幸いです。宜しくお願いいたします。

近況といえば大晦日に風邪でダウンし今に至りますが、どうにも咳とは長年の付き合いが待っていそうでげんなりしています。今年こそ健康体を目指す。

さて個人的に恒例の、昨年読んだ本の振返りをば。
135冊読んだなかでお気に入りの小説(と、今回は漫画も)を選びました。読書量は何とかなぁ。。 

-マイベスト10(小説)-

『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』 森晶麿
本シリーズは今年で特に印象に残っています。前知識もなく、ただ何となく手に取った本が超絶好みだった時の衝撃はたまらないものがありますね。読み進めて行く度に付き人のヒロインと黒猫との関係だけでなく美学をテーマにした話に惹かれていきました。少し淡泊のようで、時折まろやかな甘みを味わえる主役二人の距離感が絶妙です。個人的には、恋愛と美学(万葉集のくだりとか!)のどちらも楽しめたシリーズ三作目が好き。(→1巻の感想

黒猫の薔薇あるいは時間飛行

黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

 

 

 

『英国マザーグース物語 裏切りの貴公子』 久賀理世
婚約者とは知らずパートナーを組み怪しげな謎を追いかける―ちょっぴり刺激的でほんのり甘いロマンスを楽しめるシリーズかと思ったら! 怒涛の勢いが待っていた。今までの印象を全てひっくり返されるような第四巻には、ただただ驚かされました。今年いちばん驚かされて夢中になったシリーズです。最後までとっても面白かった!(→1巻の感想

英国マザーグース物語 裏切りの貴公子 (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫) 英国マザーグース物語 花咲けるきみと永久の歌 (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)

 

 

 

 

 


『絡新婦の理』 京極夏彦
百鬼夜行シリーズ第5作。本シリーズといえば二作目『魍魎の匣』が特にお気に入りでしたが、今作が個人的ベストに踊り出ました。あらゆる事件や謎が次第にひとつへと集約し、しっかり着地した瞬間は総毛立ちました。

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

 

 

 

 

 


『おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択』 石田リンネ
突き抜けて主役のレティがカッコイイ!!惚れる!!!(※ヒロインです) 淑女であり未来の王としての顔も見せるレティには本当に惚れ惚れとしてしまいます。物語も周辺の国との駆け引きや身内同士の政争も目が離せません。彼女を守るナイツ・オブ・ラウンドの騎士集めもまだまだですし、今のところ(四巻まで読了)恋愛要素は控えめですが、じりじりその部分も描かれるかなと期待。(→1巻の感想

おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択 (ビーズログ文庫) おこぼれ姫と円卓の騎士 (ビーズログ文庫)

 

 

 

 

 


『恋と悪魔と黙示録 身代わり魔術師と円環の葡萄祭』糸森環
ネット小説の頃からファンだった著者の書籍シリーズ。独特の世界観に一度はまるとやみつきになってしまいます。人間の少女と”神の美妓”と称される神魔との恋物語。乙女系ヒーローの神魔アガルの台詞がもー、くすぐられてたまらん。 残忍で冷酷な性質を持つ反面、ヒロインのレジナを相手にすると途端にウブな少女のように恥じらう姿を見せたりして…巻増す度に乙女要素に磨きがかかっているような。かっこいいんですけれど! 世界の本質に深く関わっているらしき人たちも登場する第三巻では、いっそう今後の展開が期待。

恋と悪魔と黙示録 身代わり魔術師と円環の葡萄祭 (一迅社文庫アイリス) 恋と悪魔と黙示録 契約の獣と身代わりの花嫁 (一迅社文庫アイリス)

 

 

 

 

 


『茨文字の魔法』 パトリシア・A・マキリップ
海外枠。一冊の本を基軸に紐解かれていく物語に夢中になりました。そして女性陣の魅力あふれること! ファンタジーあふれる舞台のなか、切ないロマンスに心震えました。女性であることの弱みや障害、それらを全て受け容れたうえで女性ならではの立ち振舞を堂々と行う姿に惹かれるようです。

茨文字の魔法 (創元推理文庫)

 

 

 

 

 


『首の姫と首なし騎士 誇り高き英雄』 睦月けい
内気で引きこもりがちな少女が愛する国のため奮闘するのだけれど、”彼女らしい”道の開き方でとてもお気に入り。常に彼女の側に佇む「首なし」騎士との距離感も心地よくて好きです。派手な展開はないけれど、地に足ついたしっかりしたお話で進むのが良い。キャラそれぞれが生きている感覚がします。シリーズ第八巻で、ようやく一区切りがつきましたが、いやいや本筋はここからなのだと思うと今後の展開が楽しみでしゃーないです。

首の姫と首なし騎士    奪われし花嫁 (角川ビーンズ文庫) 首の姫と首なし騎士 (角川ビーンズ文庫)

 

 

 

 

 


『封殺鬼 クダンノ如シ 下』霜島ケイ
女学生桐子の物語もこれにて閉幕。お、終わってしまったー。陰謀が渦巻くなか、少女たちの青春が刹那的だからこそ眩かったです。恋愛もぐんぐんと育っていって、ニヤニヤもひとしお。桐子が出会うひとびとのドラマのなかには心を抉るような爪痕が残るものもあったけれど、不思議と最後には気持ちが凪いでいました。桐子編第一巻『鵺子ドリ鳴イタ』読み返したくなってきた。

封殺鬼 クダンノ如シ 下 (ルルル文庫) 封殺鬼 クダンノ如シ 上 (ルルル文庫) 封殺鬼 クダンノ如シ 中 (ルルル文庫) 封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈1〉 (ルルル文庫)

 

 

 

 

 


『アリス・ミラー城』殺人事件 北山猛邦
シリーズ第三巻。シリーズ中ダントツのお気に入り。孤島に集められた多種多様の探偵たちが次々と犠牲になり…。緊張感が続く先行き見えない展開に、仄かなロマンス要素もありで、頁を捲る手が止まりませんでした。それぞれ独立した話で構成されているシリーズみたいなので、この巻からでもぜひ。著作だと書類が禁じられた世界で起きた事件を描く『少年検閲官』もお気に入りです。(ついに文庫化になった!やっぱり面白かった) 

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫) 少年検閲官 (創元推理文庫)

 

 

 

 

 


『決壊石奇譚』 三木笙子
ひとの強い思いが石に宿り、それを読み解くことができる少年たちの、記憶を辿る物語。切ない。誰もが自分のためでなく相手を思って行動しているのに噛み合わずすれ違ってしまうもどかしさ。読み終えた時に残ったのは、ほろ苦くもあたたかなものでした。同著の『竜の雨降る探偵社』もあたたかくて切ない余韻に浸れて良かったです(こちらはこちらで色々と気になる箇所が…)。

決壊石奇譚 百年の記憶 竜の雨降る探偵社

 

 

 

 

 

 

-マイベスト3(漫画)-
新規のものだけピックアップしてみた。

『文豪ストレイドックス 1~3』
カッコイイ、カッコイイんだこの漫画!! 切り取られるシーンどれもが皆カッコイイ。かの文豪と同じ名を持つ者達がそれぞれの名作を異能として表現し、闘うという…この突き抜けた設定は厨二といわれる部類なのかもしれないけれど、ここまで突き抜けてしまうと面白いです。(→1・2巻の感想

文豪ストレイドッグス (3) (カドカワコミックス・エース) 文豪ストレイドッグス -1 (カドカワコミックス・エース)

 

 

 

 

 


『月刊少女野崎くん 1~3』
笑った。キャラの掛け合い、笑いの緩急が最高です!! 他に笑いが欲しいと思った時には『鬼灯の冷徹』もよく読みました。←鉄板 

月刊少女野崎くん(1) (ガンガンコミックスONLINE) 鬼灯の冷徹(1) (モーニングKC)

 

 

 

 

 


『カーニヴァル 1~12』
隅から隅まで可愛さと華やかさが気を配られていて、とても素敵な世界観が繰り広げられています。主人公が直面する話は結構重いものばかりなので、繊細な画と前向きなキャラたちのおかげで救われているような。

カーニヴァル 12巻 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) カーニヴァル (1) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

 


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2013年11月のまとめ [感想まとめ]

4冊読了。
じっ、11月が終わってたー!! 年末近くになると慌ただしくなってまいりますな。
本だけはどんどん積み上がってゆくので、年末まで少しでも減らせていけたらいいなー…。

ひとまず、終末は『茅田砂胡 全仕事1993-2013』の特装版が届いたので、じっくり浸ろう。 

11月のお気に入り
☆『黒猫の刹那あるいは卒論指導』森晶麿 感想
…下半期の中でも特にハマったとも言えるシリーズの番外編が収録された短編集。本編より少し時を遡り、黒猫と付き人の出会いから現在に至るまでの時の流れを、季節感を感じつつ読了。あーっ、ほんっとニヤニヤしちゃう! 

★『御堂学院の神使官  十五の神隠し』篠原美季
…全寮制の男子校で起こる怪奇現象に元気っ子な男子高生が巻き込まれていく、少しサスペンスな雰囲気も漂う新シリーズ。文章が読み易いなぁと思ったらベテランの作家さん(「英国妖異譚」シリーズ等)でしたか。続き気になる。 

黒猫の刹那あるいは卒論指導 (ハヤカワ文庫JA) 御堂学院の神使官  十五の神隠し (角川ビーンズ文庫)

 

続く


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2013年10月のまとめ [感想まとめ]

19冊読了。
先月よりも読んでるじゃないか。。
気がつけば今年も残り2ヶ月を切りました。

★10月のお気に入り
『絡新婦の理』京極夏彦
…百鬼夜行シリーズは『魍魎の匣』が特にお気に入りだったけれど、本作が個人的に1位に踊りでたかも。十代の少女たちが物語に絡んでくるのは話が入り易くて読みやすかったのかもしれない。あらゆる事件や謎が次第にひとつへと集約し、しっかり着地した展開は総毛立った。
☆『恋と悪魔と黙示録 身代わり魔術師と円環の葡萄祭』糸森環 感想
…シリーズ第3巻。 乙女系ヒーロー・アガルに首ったけ状態の本シリーズ。一度想いが通じたかに見えた主役二人が、じれったいほどすれ違っていてジレジレさせられる。いやしかし、アガル筆頭にいろんなキャラや、主従の関係が素敵だなー。
☆「首の姫」シリーズ 1巻感想
…今月一気にはまったシリーズ。内気で引きこもりがちな少女が愛する国のため奮闘し成長していく姿と、彼女の側にいる「首なし」騎士との距離感が心地よくて好き。派手な展開ではないけれど、地に足ついたしっかりしたお話で進むのが良い。 
★『貴族探偵』麻耶雄嵩 感想
…推理手法が今まで読んできたものではない新鮮さがあって面白かった。 キャラの濃さに目が行きがちだけど、各短編の推理やオチが個人的に好みでした。


文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫) 恋と悪魔と黙示録 身代わり魔術師と円環の葡萄祭 (一迅社文庫アイリス) 首の姫と首なし騎士  誇り高き反逆者 (角川ビーンズ文庫)

おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択 (ビーズログ文庫)


続く


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2013年9月のまとめ [感想まとめ]

17冊読了。
ようやく涼しい風が入るようになって、モリモリ調子よく読めるようになったなぁと思っていたら今年一番読んだ月だった。

★9月のお気に入り 
『裏庭』梨木香歩
…ファンタジックな世界のなか、少女が出会い経験することは重いもので辛く感じるも次第に色んなしがらみが消化されていく展開に救われた。『ブレイブ・ストーリー』に近しいような。
『黒猫』シリーズ 1巻感想
…既刊3巻。黒猫と付き人の距離感にやられた。淡々としているようで、ほんのり甘みがある関係にニヤニヤ。3巻で完全に落ちました。美学を絡めた推理展開は新鮮。
★『ガソリン生活』伊坂幸太郎 感想
…同じ月に読んだ『残り全部バケーション』も痛快で楽しくて好きな物語だったけれど、本作の方がじぶん好みだったので。車視点で語られるある家族の偶然と勇気の話。
★『ラピスラズリ』山尾悠子
…初読み作家さん。幻想的な世界にうっとりする。季節を肌で感じるように文字から想像できるのって素敵。 
★『おこぼれ姫と円卓の騎士 将軍の憂鬱』石田リンネ 感想
…レティの手腕に痺れるね!どんどん彼女に惹かれて、翻弄される。

黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA) ラピスラズリ (ちくま文庫)

おこぼれ姫と円卓の騎士 将軍の憂鬱 (ビーズログ文庫) つれづれ、北野坂探偵舎    心理描写が足りてない (角川文庫)

 

続く


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