『幽霊詐欺師ミチヲ』黒史郎

幽霊詐欺師ミチヲ (角川ホラー文庫)

• 作者: 黒 史郎
• 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
• 発売日: 2011/03/25
• メディア: 文庫

結婚詐欺に遭い19歳にして多額の負債を背負ってしまった青年ミチヲ。借金を苦に首を括ろうとした時、怪しげな男カタリに見つかり「買われて」しまう。自由になるためには”特殊な仕事”を引き受けることが条件と言われて―。

初読み作家さん。正直、決め手は表紙でした。でも、面白かった！　括りはホラーのはずなのに、どうしてこう、コメディに見えてくるんだろう…。良い意味で裏切られた。グロい描写もあるし本来なら暗く重ためな話でも、基本カタリやミチヲが関わるとコメディと化してる気がするよ。

タイトルの通り、ミチヲは何の因果か幽霊（！）相手に詐欺を仕掛ける羽目に。1話目は姿がグロテスクなことになってる幽霊「マミコさん」を相手に結婚詐欺、2話目は悪霊と化した少年を家から追い出すための詐欺。どちらも面白いけど、ラストで”オマケ”が憑いてくる１話目が好きかな。２話の方が怖かった。でも、ミチヲのヘタレさ加減がいい具合にグロやホラー要素を中和してるような気が。

ただの犬ではない「カネコ」やミチヲの命は救ったがとことん悪人な４０男カタリの正体も気になるところ。シリーズ化されたようなので続き読みますか。

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