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米澤穂信 『インシテミル』 [読書]

インシテミル (文春文庫)

インシテミル (文春文庫)

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: 文庫

「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。

蓋を開けたら殺戮ゲームでした。 インシテミル。 淫してみる。
文庫本でおおよそ500頁ちょっとの厚みがありましたが、結局一気に読了。 わくわくしながら読むものではないし、人の嫌らしい面が噴出すように描かれている所もあるので決して爽快な気分は味わえないのだけど、それでも先が気になってしまって。。 まぁ、12人が招かれた「館」の異質な雰囲気に気圧されて止むに止まれない気持ちになってしまってたのが本音^^; 怖かったー…。

あまりキャラクターたちに傾倒しないで読むべきだったかなぁと。 そう造形が深く描かれてなかったから、密室された空間でのキャラのやり取りに期待をしていた私にとっては少し物足りない気分がしました。 最初から最後までミステリとデス・ゲームが一貫されてたなぁ。
それにしても米澤さんは<小市民>や<古典部>等の”人の死なないミステリ”シリーズで馴染んでいたので、こうも人がどんどん死んでいく作品にはびっくりです。

ところで…劇場版主題歌のタイトル、読み終えた今「…皮肉?」と思ってしまいます(笑)

2010/10読了[るんるん] 拍手ボタン


タグ:米澤穂信
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コメント 6

コースケ

こんばんは。
僕もこれ読みました。
純粋に設定を楽しんで読みました。

映画、どうなんでしょうね。
個人的に映画向きな作品じゃない
気がしますけど・・・

by コースケ (2010-10-24 18:37) 

takao

映画は,ミステリの部分をばっさり切り落として,デスゲームを描いている,と言う事ですね。
私が読んでのは数年前なので,内容はよく覚えていませんが後味がよくなかったなぁ,と言う記憶はあります。
人間の醜悪な部分を描いた,という感じで。

この作品,今までの米澤穂信作品,とは一線を画していましたよね。
いま,映画化効果で原作が売れているようですが,これから米澤穂信に入った方が,他の作品を読んでどう思うか,気になったりします。
by takao (2010-10-24 22:14) 

chokusin

原作は完全にミステリの枠組みやお約束の中で作者が遊んでる感じでしたね(殺人ゲームを扱ってるので「遊び」という表現は良くないかもですが)。
ちなみに映画の方は・・・あまりオススメできません。完全に別物と割り切って楽しむのもありでしょうが、それにしてもちょっと、でした。
by chokusin (2010-10-24 23:17) 

ミナモ

>コースケさん 
こんばんは~。
私も、前知識ナシの状態で読んだので驚きの連続でした。総じて純粋に楽しんだなと思います^^
私はいつも原作を読んでからでないと劇場版に足を踏み入れる勇気がないのですが…殺人描写をそのままにしたら、結構グロそうな…
うーん、観るかどうか、躊躇いますね(笑)
by ミナモ (2010-10-26 01:05) 

ミナモ

>takaoさん 
こんばんは~。
すべてというわけでは有りませんが、原作小説(やマンガ)の映画化は、正直 原作は越えないのでは・・と思ってしまいます。
今回のインシテミルも、予告を見る限りでは面白そうかも…と思っていましたが、原作を読んだ今 観るかどうか考え直しちゃいますね(苦笑)
しかもデスゲーム…うーん。
そうそう、そうです。後味は決して良くはありません; 一段落ついた…と思いきや、先を匂わせるようなラスト。

シリーズ以外の米澤作品も読んでいますが、今作はまったく雰囲気が違いますよね。驚きました。
インシテミルのような、刺激的?なものを求めている方にとっては古典部や小市民は戸惑うかもしれませんね。 でも、これを機会に読んでもらいたいなぁ…。
by ミナモ (2010-10-26 01:10) 

ミナモ

>chokusinさん 
こんばんは~。
本格ミステリの枠をぶっ飛ばした、汀こるもの著「THANATOS」シリーズを思い出しました(笑)。
ミステリの要素をゲームのスパイスにさせてしまうとは思いませんでした。 といっても、私は本来のミステリよりも殺人ゲームに気を取られがちだったのですが…。。

takaoさんもおっしゃってましたけど、ミステリの部分を削いでしまったら もう別物としか言えませんね(苦笑)。
うーん、原作を読んだ今だと…もう一度検討してみます。。
by ミナモ (2010-10-26 01:14) 

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