五條瑛『紫嵐-Violet Storm-』 [読書]
祖国は、ここにある。少年は細い指で自分の胸を差す。国を追われ、命からがら逃れてきた異国の若者たちの居場所は、もはやここにしかないのだ。ドラッグをめぐり、揺れる新宿。彼らはそれに巻き込まれながらも、その少年のカリスマ性に夢を託す…。「R/EVOLUTION」=革命小説シリーズのVにあたる第2弾。書き下ろし掌編「ストレイキャッツ」収録。
革命シリーズ第2弾。
現在7冊目まで読んでますが、巻を追うごとに前作『断鎖』と同じくらい存在感が大きくなっている一作。というわけでシリーズ通しても上位に入っています。
にしても、どの巻もタイトルが秀逸だなぁ。造語だけど、読み終えてみてもう一度表紙のタイトルを見るとしっくりきます。 今回は「鳩」という人物と、『プラチナ・ビーズ』で少し登場していた「すみれ」に焦点が当たっていたかな。 プロローグとか、まんまサーシャと亮司のくだりを思い出しちゃったよ。 この巻までは、まだすみれは無邪気な少年って立ち位置だった気がする。随分、印象が変わった。成長したというのかもしれない。純粋に「可愛いなぁこの子」と思えるのはこの巻までかもしれません。笑
亮司は好青年になっててビックリ。しかもちょっと可愛いし。
鳩と亜由の触れ合いは両者が出逢う原因が痛々しいものだっただけに、ほんの少し辛くて、せつなくて。 ここで感じた痛みが、今でも尾を引いています。 それくらい、印象に残った。
始終スピード感あって良かったです。 今回も楽しかった…と言ったら語弊があるかな、読み応えがあった。
サーシャの思惑は、彼本人が登場が少ないためまだまだ謎に包まれているけど(人物紹介は「謎の男」だしw)、波乱が巻き起こると確信しているだけに鳥肌が立つね。
深読み。すみれにはわかるが(ちっちゃいし可愛いし)、何故亮司にもなんだサーシャ。でこちゅー。
2010/8読了 *拍手ボタン*
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