米澤穂信『追想五断章』 [読書]
古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。二十二年前のその夜何があったのか?幾重にも隠された真相は?米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。
※追想する――過去にあった事を思い出してしのぶこと。
今回は話の”真実”が珍しく途中で予測できてたから油断してましたよー。 結局、最後のさいごで、一瞬置いてかれた。 呆然というか。 最後が手紙の文だったから、よけいにばっさり断たれた感じ。 今回は(も?)淡々と過去を追う話だったから冷たい、というより無機質な印象。
連作短編だったから、どのお話が良かったとかではなく、最終章「雪の花」の最後の1文が、しばらく頭から離れなかった。衝撃…ではなくて、かなしい気持ちでいっぱいになる。
『儚い羊たちの終焉』は、それが顕著だったけどこの物語も結局はその1文を引き出すために組み立てられた連作話集だったのかなって思った。「儚い~」は最後の1文で世界が変わる、みたいな衝撃的なモノもあったけれど、今回は、染み渡っていく感じ。
ちょーっとだけ、『告白』を思い出しました。 最後が”手紙”だった…から?
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「儚い~」も気になってアマゾンへ注文したのですが・・・
なかなか読めずにいます><;
そして、今作も「私の好きな感じ臭」がプンプンしています@@!
by Betty (2009-11-30 14:23)
>Bettyさん
個人的にですが、私は『儚い~』の方が好みですねv
”本”がキーワードになっている本作は読書の秋・・は過ぎたかもしれませんが、寒くなってきた今の季節に読むのにピッタリではないでしょうか、とこっそり推しておりまーす♪
by ミナモ (2009-11-30 17:22)