SSブログ

五條瑛『スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙』 [読書]

スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)

スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)

  • 作者: 五條 瑛
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2002/11/20
  • メディア: 文庫
ソウルから日本へ、北朝鮮の大物工作員・チョンが潜入した。大量の偽ドル札とともに。果たして彼の任務とは何なのか?米国防総省の在日情報機関に所属する分析官・葉山はチョンの残した文書の解読に成功するが、そこには意外な事実が隠されていた。同じ頃、平壌から一組の母娘が中朝国境を目指していた―。文庫版のための書き下ろし特別短編『The Game』を収録。第3回大藪春彦賞受賞の傑作スパイ小説。


鉱物シリーズ第2作。前回「プラチナ・ビーズ」同様、強くメッセージ性のある作品でした。家族。かけがえのない人たち。盲目的とも言えるかもしれないけれど、それでも愛する人を疑わずに信じる、意志の強さに感服しました。文字通り命懸けで信じる心を見せ付けられた。感情の入れ込み具合だと、前作上回りました。最後の、鉱物に込められた意味。スリー・アゲーツ。意味を理解したときに、涙腺決壊しました。無償の愛を、感じたよ。

家族愛。それは、葉山が肉親から授かったことのないもの。葉山はクールな印象がありましたが(前回は肉体的に頑張ってたけど)、精神面でも熱い男性なんだなと改めて感じました。無茶をしてでも他者のために尽くそうとする人、なんて言えばいいんだろう。大好きです。まぁ、そんなところが、エディたちに構われおちょくられやすいんでしょうけど。


タグ:五條瑛
nice!(4)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ: 

nice! 4

コメント 2

さくら

こんばんは~
葉山大好きです。
火傷すると判っていても、火中の栗を拾う人ですね。
その痛々しさを喜ぶ外野が居たりするのが、困りもんというか、
ニヤリなんですがね…。

by さくら (2009-07-07 03:54) 

ミナモ

>さくらさん 
こんばんはー。

>火傷すると判っていても、火中の栗を拾う人ですね。
に激しく同感です。思わずうなずいてしまいましたw

外野の思惑にあえて乗っかる葉山と、それを見て喜ぶ外野。そしてその掛け合いを見てにやけている読者がいます^^笑
新作は、エディの葉山イジメ好きにはたまらない描写がちらほら、でした^^*
by ミナモ (2009-07-07 20:36) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
ブログパーツ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。