五條瑛『スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙』 [読書]
ソウルから日本へ、北朝鮮の大物工作員・チョンが潜入した。大量の偽ドル札とともに。果たして彼の任務とは何なのか?米国防総省の在日情報機関に所属する分析官・葉山はチョンの残した文書の解読に成功するが、そこには意外な事実が隠されていた。同じ頃、平壌から一組の母娘が中朝国境を目指していた―。文庫版のための書き下ろし特別短編『The Game』を収録。第3回大藪春彦賞受賞の傑作スパイ小説。
鉱物シリーズ第2作。前回「プラチナ・ビーズ」同様、強くメッセージ性のある作品でした。家族。かけがえのない人たち。盲目的とも言えるかもしれないけれど、それでも愛する人を疑わずに信じる、意志の強さに感服しました。文字通り命懸けで信じる心を見せ付けられた。感情の入れ込み具合だと、前作上回りました。最後の、鉱物に込められた意味。スリー・アゲーツ。意味を理解したときに、涙腺決壊しました。無償の愛を、感じたよ。
家族愛。それは、葉山が肉親から授かったことのないもの。葉山はクールな印象がありましたが(前回は肉体的に頑張ってたけど)、精神面でも熱い男性なんだなと改めて感じました。無茶をしてでも他者のために尽くそうとする人、なんて言えばいいんだろう。大好きです。まぁ、そんなところが、エディたちに構われおちょくられやすいんでしょうけど。
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こんばんは~
葉山大好きです。
火傷すると判っていても、火中の栗を拾う人ですね。
その痛々しさを喜ぶ外野が居たりするのが、困りもんというか、
ニヤリなんですがね…。
by さくら (2009-07-07 03:54)
>さくらさん
こんばんはー。
>火傷すると判っていても、火中の栗を拾う人ですね。
に激しく同感です。思わずうなずいてしまいましたw
外野の思惑にあえて乗っかる葉山と、それを見て喜ぶ外野。そしてその掛け合いを見てにやけている読者がいます^^笑
新作は、エディの葉山イジメ好きにはたまらない描写がちらほら、でした^^*
by ミナモ (2009-07-07 20:36)