恩田陸『まひるの月を追いかけて』 [読書]
異母兄が奈良で消息を絶った。たったの二度しか会ったことがない兄の彼女に誘われて、私は研吾を捜す旅に出る。早春の橿原神宮、藤原京跡、今井、明日香…。旅が進むにつれ、次々と明らかになる事実。それは真実なのか嘘なのか。旅と物語の行き着く先は―。恩田ワールド全開のミステリーロードノベル。
少し再読した三月~の中にあった物語のひとつに「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」があるのですが、あらすじ結構ダブっていたような。失踪した男を、彼の恋人と一緒に旅をしながら捜すという…。まさかこれが”3作目”ではないですよね…? あちらは北へ向かっていたけど、こちらは西―奈良でした。日本の香り。すごく行きたくなった。一人旅。この本を片手に、彼女たちが辿った道を私も歩いてみたい。そう思ってしまうくらい、奈良の描写が細かくて細かくて、いっそガイド本でもいいんじゃないのかなぁとかww 紀行小説に近い…かなぁ。
本筋は一人の男性をめぐる物語。二人の女性が彼に思い馳せながらも、水面下で探り合っている描写にゾクゾクしました。奈良の雰囲気がそれに拍車をかけて、不思議な世界に迷い込んだ感じです。感情面で言えば、彼女たちよりも、男性(兄)の心情が痛いほどわかってしまった。嫌になるくらい^^;
最後は…恩田さんは好きなんだけど、この最後だけはどうしても納得できなかった。というより、認めたないというか…。変なところで潔癖なんだなぁと痛感だけども。「夏の名残りの薔薇」よりもっと理解したくない最後でした。恩田さんの描く年配の恋愛ものは、まだ私はうまく消化できないようです。
拝読*バステトの本ブログさま
黒執事第二期ですかぁ。
確かに一期は原作から離れつつもきれいな終わりだったのにどう繋げていくんでしょうねぇ。
今日からマ王みたいに全く違う路線なのか、ハガネみたいにまた一から忠実に行くのか。
やっぱ生きてました~ってとこから始まるんでしょうか?(苦笑)
恩田さんはとてもはまってしまう作品とどうしても納得できないと言うか消化できない作品があります…
悲しいけど自分の理解力のなさを自覚しちゃいます(>_<)
by ナツ (2009-06-16 09:49)
>ナツさん
きれいに終わっていましたし、これをどう繋げるのか本当に不思議…というか、不安というか…(えええ)
マ王はアニメ原作どちらも序盤ぐらいしか見てませんでした…。
たしか、わがままプーにぞっこん惚れていたようなww
え、また違う路線ということはオリジナルですか!?
最初見るときは気構えちゃうかもなぁと思ったり、です^^;
恩田さんは、本当本当、大好きな作家さんなんですが
それでも納得できん作品も…あるにはあります。。
私もです!! それでぐおおおーとか無意味にうなってます・・・;
by ミナモ (2009-06-16 20:38)
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の設定に似てますよね。
私は今、三月のシリーズを読んでいるので、先に読んだ『まひる…』をすぐに思い出しました。
これなんでしょうか?
登場人物の関係が違ってるから、違うんだろうと思いながらも気になるよね。
『まひる…』には、
ちょっとした知り合いと一緒に行く旅行って恐いかも?
そんな感想を持ちました。
知ってる人と一緒で安心!…ん?知ってたっけか?この人のこと。
みたいな。
非現実的な恐い事件の話じゃなく、
日常の小さな不安が、大きくひろがっていくと言うのが魅力的でした。
も、もしや、美しい謎?^^
これ読んだ直後はドラマの鹿男とかもやってて
あわせて楽しんでました^^
いいなぁ、飛鳥。
一日中さんぽしてるような旅行をしてみたいなぁ。
今は『茶と黒』を読んでいるので、気持ちはY島をさまよっている最中ですが。。。
by まりひこ (2009-06-17 16:27)
>まりひこさん
そうなんですよね、人間関係というか、「失踪した人を追う」形がなんとも、です。
アイネクライネとは別モノだとは思うのですが…気になっちゃいます^^;
だってあの4部作にはすごく期待というか楽しみにしていますので!!
そうですねぇ。気心の知れた人との旅も、実は大変なこともあると聞いたことがありますが、あまり知らない人との旅も結構大胆なことするなって、主人公に驚きましたw
奈良の描写は文句なく美しい(というかなぞめいていて素敵・・・)なんですが、如何せん…ラストで現実の生々しさを感じてしまいましたね><;
おさんぽー!(反応)
すごくやってみたいですね、関係ないですが尾瀬にもおさんぽしたいです。
黒と茶は大好きです!!
確か理瀬シリーズの憂理が出てきますよね。あれも読み終えると無性にY島行きたくなります…!!!!!
by ミナモ (2009-06-17 23:25)