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『蛇行する川のほとり』 [読書]

蛇行する川のほとり

蛇行する川のほとり

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2004/11
  • メディア: 単行本
あの夏の日、少女たちは川のほとりにある「船着場のある家」で合宿を始めた。夏の終わりの演劇祭に向けて、舞台背景の絵を仕上げるために。それは、楽しく充実した高校生活の最高の思い出になるはずだった。ひとりの美しい少年の言葉が、この世界のすべてを灰色に変えるまでは…。そして、運命の歯車は回り始めた。あの遠い夏の日と同じように―。運命の岸辺に佇む少女たちの物語。


恩田陸作品の中でも上位に入るくらい好きな本なのに記事にしていなかったと気づき、文庫本化ということもあり、丁度良いのでアップしてみました。

恩田陸の作品は雰囲気がとても素敵。
十代の少女たちの危うさというか、妙な既視感に駆られる雰囲気が、すごく好きです。
で、「六番目の~」とか「麦の海~」のような作品が特に好きなのですが、この蛇行する川もかなり雰囲気が素敵な作品でした。

少年少女たちの、夏のお話です。
丁度この季節、とくに本格的な夏に入ると無性に読みたくなります。
それ言うと「六番目の小夜子」も読みたくなりますが^^
優雅で、淑やかで、透明で、不思議で、どこか、懐かしく切ない雰囲気。
そして、その中で垣間見る静かな狂気の存在。
ううむ、私の言葉では上手く伝わらないとは思いますが;読めば一気にこの作品の世界に引き込まれると思います。

夏の暑さ、気だるさがとても身にしみて。
学生の時のやるせなさ、新鮮さ、危うさに共鳴する。
最初は、ただ夏の出来事をつらつらと綴っていると思ったら、後半にかけての展開が、もう。
読み終えたとき、やっぱり恩田陸大好きだと思いました。

色んな謎や想いを残したまま終わってしまいましたが。
きっとこれは、少女たちの絆のお話なのかなと(勝手に)解釈しようと思います。
絆の深さと、それに執着する思いが切なく、けれど羨ましくも思ったり。
何回も読みたい作品です。
p.s. 中味も好きですが、やはり最初に惹かれたのは表紙でした。
著者も好きですが、この作品にここまで合っている絵も珍しいのでは。淡く、繊細で、でもどこか力強いこの絵がすきです。

タグ:恩田陸
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コメント 8

ぷりん

私は文庫本を買ったので、この表紙は初めて見ました。
恩田作品は、読んでいると、非日常の日常に、ふっと引き込まれるような感覚がありませんか。
あれがすごく好きで次から次へと読んでいます。
このひと月で20冊以上の恩田作品を読了しました。
今は、『三月は深き紅の淵を』です。
by ぷりん (2007-07-07 00:47) 

香穂

ぽぽぷりんさん、こんばんは~^^
ひ、ひゃあ!
私も恩田陸作品大好きの一人ですが、一月に20冊は読んだことなかったです。。。
読み終わったら、もう一回ちびちびと読み返す派なので;
あれ、確か最近発売した文庫本もハードカバーとおなじ表紙だったような…?
そうですね、読んでると、今いる日常が切り離されて、漂っているような、そんな感覚を味わいます。
私は今度、「まひるの月を追いかけて」を読もうかと。
三月は深き紅の淵をは特に大好きな作品の一つです!!
もう、オススメですよwよんだら感想お聞かせくださいv
by 香穂 (2007-07-07 01:35) 

ぷりん

再度、見返してみたら、表紙同じでした(笑)
カバーかけてたので、まったく印象になかったみたいです、ははっ。
『三月~』はいま読んでます。
最近、スピード落ちてます、いや、落ち着きました。
ちょっとした恩田陸中毒にかかっていたみたいです。

今月の半ばから『猫と針』って芝居があります。
恩田さんが初めて書き下ろした戯曲です。
初日に観劇する予定です。
今からとても楽しみです。
by ぷりん (2007-07-29 20:38) 

香穂

ぽぽぷりんさん、こんばんはーv
三月~は中々の長編なので読み終わったときは妙に感動してしまったり笑
のちのちもっと長い小説もあるんだと知りましたが…;
私は年中中毒にかかってまs^^
怒涛の新刊ラッシュも一息ついてきましたね。
最近発売された「木洩れ日に泳ぐ魚」を読んでみましたが、やっぱり面白かったですvあしたには2ヶ月おあずけだった「きのうの世界」も発売ですし。(受験生なのに、…;;;)

わぁ~~~~~!!
それ、すっごく観たいんです!!!!!
嗚呼、来年だったら、絶対、ぜったい観に行くのに……!!
しかも初日ですか!?
羨ましいです。是非とも感想お聞かせくださいねv
by 香穂 (2007-07-30 19:49) 

ぷりん

『猫と針』は私が15年ほど観続けている劇団の役者さんがやるんです。
恩田作品にどっぷりはまるきっかけが、この芝居。
どんな作家さんなんだろう、と読み始めたら止まらなくなっちゃいました(笑)
チケットは一般発売の日に完売したらしいです。
私は劇団の先行予約だったので、比較的簡単にゲットできました。
実は二回観に行くんです。
感想、気合い入れて書かなきゃダメかな?
by ぷりん (2007-07-31 07:18) 

香穂

演劇ですかぁ。
私も、(受験が終わり次第)観てみたいんですよ~!
やっぱり面白いですか?
じゅ、15年!?
そんなお気に入りの劇団の役者さんがやるとなると、期待しちゃいますねーv
そうか、きっかけがそうだったのですか。
そして、さすが。当日に完売とは……!!
なのにぽぽぷりんさん2回も行くのですか!!!!!
羨ましいーーーーーーーーーーーーーーーー><
是非是非v感想聞きたいですー!
明日には2ヶ月延長した「きのうの世界」がついに発売ですし…恩田陸祭りですねvv
by 香穂 (2007-07-31 22:31) 

ぷりん

芝居って「なまもの」なんです。
同じ公演でも、まったく「同じ舞台」は二度とない。
それが面白いなぁって思います。
映画は年1本観ないけど、舞台は月4~8本くらい観てますね。
今年はもう30本以上観てます。

明日は、本屋さんに寄らなきゃいけませんね。
by ぷりん (2007-07-31 23:45) 

香穂

芝居でわかんないことがあったらソッコーでぽぽぷりんさんに相談させていただきます!師匠ー!!笑
……………。。
いいなぁ、お話聞いてるとどんどん観たくなりましたよ;
嗚呼、早く受験終われ~~
来年の春辺りから観ようかな♪
by 香穂 (2007-08-08 19:01) 

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