『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』高殿円 [読書]
2012年、オリンピック開催に沸くロンドン。アフガン帰りの軍医ジョー・ワトソンは住まいと仕事探しに鬱々としていた。友人からフラットシェアを勧められたものの、同居人は変わった女性で?
シャーロックホームズが男女逆転した、現代版ホームズ! ホームズもワトソンもレストレード警部も、もちろんあの人も…今のところ登場人物、全員女性で占められている。 女性化と舞台を現代に移すことに伴って、キャラクタの造詣も現代ならではの設定に。原作の人たちの特徴を上手く現代版に置き換えられていて面白い。’ミセス・ハドソン’の変貌ぶりが特に思い切っていて可笑しかった。(それがまた、妙にしっくりはまっているのが良い)
また事件の内容としても女性ならではの視点が入ることでおそらく原作ホームズにはない広がりと魅力を兼ねたミステリものに仕上がっているなーと思ったり。
今のところシリーズものと書かれてはいないけれど、是非とも続きを読んでみたい。1冊単発ものとしては、あまりにも気になる箇所があり過ぎる。原作要素を取りつつも、本作のワトソンやシャーロックが抱える問題が今後どう展開され原作と絡まっていくのか気になる。それにしても、当時の物語を回想の形式で書かれているのを見ると同著の『カーリー』を思い出さずにはいられない。振り返る過去が生き生きとしたものなら尚更か。。
もし続きが出るのなら、アイリーン・アドラーに対なる人とか見てみたいな。本書の法則でいくなら、とんでもない男性に化ける予感…(笑)
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