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『黒猫の約束あるいは遡行未来』森晶麿 [読書]


黒猫の約束あるいは遡行未来

黒猫の約束あるいは遡行未来

  • 作者: 森 晶麿
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: 単行本

仏滞在中の黒猫は、恩師の依頼でイタリアにある<遡行する塔>の調査に向かう。一方、付き人は学会参加のため渡英することに。シリーズ第5弾。

肩を並べる二人を見られただけで、たっまらなかった。お預けをいただいていた分、再会のシーンからラストまですっかり魅了されちゃった。

黒猫と付き人が美学を論じ謎を解いていく姿を見ると、やっぱりこの二人の関係たまらなく好きだ!二人らしい距離の取り方も、一見遠回りのような面倒さがありつつも深い優しさに包まれていて落ち着く(けど、今回はもどかしさ倍増!!)。恋愛面もたっぷり楽しんだし、今回の建築と映画という別の観点から真実が導き出される過程にロマンスと美学が練られていて面白かったです。十五年の歳月か…。謎解きのために過去を遡行する描写が多くありつつも、様々な未来を可能性を考えれられるラストでした。

さて黒猫と付き人、それぞれライバルらしき人たちはいるけれど、最終的に一番の壁は自分自身なのかな。付き人が感情を爆発させたシーンは胸が締め付けられました。このシリーズの登場人物たちって、感情の引き出しをあまり見せない気がしたから、シリーズ通して段々新しい一面が見られて嬉しい。特に黒猫、黒猫が…!

はー、この満ち足りた感覚。時間を忘れて小説の世界に入り込めるって、本当に楽しい。 


タグ:森晶麿
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