『レディ・ガンナーの大追跡 上下』茅田砂胡 [読書]
キャサリンが描いたベラフォードの姿絵に魅せられた秘密結社は、ベラフォードを捕えようと画策する。自分の不注意が元で起こった騒動を知った彼女は、父親の制止を振り切って再び飛び出した。シリーズ第2弾。
冒険譚の色が押し出されていた前作では余り深く見られなかった、種族間の確執の根深さを今回思い知らされた。 上巻の中盤辺りまでは歴史的背景を説明していて、今現在の交流関係がやや難しいものだなーという印象は受けていたけれど、実際厳しい現実を目の当たりにすると、何とも言えない。ベラフォードたちを探すため旅に出たキャサリン(とニーナ)が行く先々で経験する認識の隔たりには、彼女の人間性が良いとしても決してそれだけではどうにもならないものもあって難しいなぁ。。彼らの溝は今後どのようになるのだろう。。。キャサリン嬢の旅は今回も刺激的なものではあったけれど、ドキドキワクワクするような感じではない緊迫したものだった。
メインキャラの配分がとっても絶妙で好きなんだなーと今回で確信した。個性的な用心棒たちに、銃を難なく扱うキャサリンお嬢様、そして平凡といっていい侍女ニーナの組み合わせが良いね! 特にニーナの反応は一般人のそれであって、常識はずれなことばかりするキャラたちの中に一人いるだけで何だか安心してしまう。ちなみに今回<純血種>で沢山新しい顔が登場したけれど、特に<島梟>と<狐>のやり取りが面白くて好きでした。 お二方には、また是非登場してもらいたい。。
他種族が共存する世界では避けては通れない話だとは思うけれど、予想以上に重く厳しかったです。確かに、次はラブロマンス要素を読んでみたい。今回で明らかになった三つ巴状態やキャサリンとの関係がどうなるのか非常ーに気になります。
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