『リバーサイド・チルドレン』梓崎優 [読書]
どうしようもなく辛いときには、星が代わりに泣いてくれるんだ。 日本人の少年ミサキはカンボジアで彷徨っているところをストリート・チルドレンに拾われる。厳しい環境の中でも仲間たちとの信頼がささやかな幸せと安息の生活をもたらしていた。だが、仲間の一人が殺人事件に巻き込まれたことでミサキの世界が一変する。
様々な思いが去来する。読み終えた後も何とも言えない感情にしばらく浸っていた。
ある決定的な事件が起きてからの展開は読む手が止まりかけそうになるほど、暴力的でなすすべがない。(高野和明さんの『ジェノサイド』を思い出した) そして、殺人事件を解決した先に知った真実に切なさとやるせなさに言葉もなくしてしまう。 それでも、かなしさに浸る物語ではなかった。
誰かの為に思いを込めて願うことが、祈りなのだと改めて思う一冊でした。 また読み返そうー。
そういえば、前作を読んでいる人には思わずニヤリとする展開もあったね! 本書を読む前は文庫化した『叫びと祈り』を読んで改めてこの作家さんの物語好きだなぁと再認識。3作目も首を長くして待とうと思います。
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