『五龍世界 WOOLONG WORLD I 霧廟に臥す龍』壁井ユカコ [読書]
(P[か]5-1)五龍世界 WOOLONG WORLD: I霧廟に臥す龍 (ポプラ文庫ピュアフル)
- 作者: 壁井 ユカコ
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: 文庫
五龍が眠ると言われる大陸。幼い頃に両親から捨てられた少女ユギは、悪人面で人情が厚い中年道士に拾われる。兄弟弟子とともに変わらぬ日々を過ごすと思われていたが、一人の闖入者が村に現れたことで激変する。中華風ファンタジーシリーズ第1巻。
愚かしいと言うには拙く幼くも、ひたむきな魂が眩くて惹かれました。
はじまりの物語といったところ。物語に流れが出始め、キャラクタたちも生き生きしてきたところで1巻が終わってしまったので地団駄踏んでます。2巻も文庫化待つつもりだったのに…既に手元にあるという罠。面白かったです。
変わらない平穏な日々を願っていたユギが、変わらざるを得ない状況に迫られて傷つきながらも自分の弱さと向い合って乗り越える様に見入られました。中盤の展開はショックを受けましたが、そこからの立て直しの展開は痺れた。続きが出てますが、最初の頃と変わってしまったユギとキャラたちの関係が、どう動いていくのか気になります。
ユギの周りのキャラも魅力的。チンピラのようで情に厚い中年師匠、厳しくもユギに分からない程度に優しい兄弟弟子、毒舌を吐く異国から来た美貌の神父、夜の世界を受け入れる少女。個人的に、ユギには厳しくあたっているようで実は甘い兄弟弟子の左慈さんがたまりませんよ! 相手役はそう転がるのかーと思いつつも今後も期待しています。そしてイルラックに幸あれ。
単行本が羽住都さん、文庫本が松本テマリさんが表紙を飾っています。羽住さんは淡いタッチで麗しい表紙を描いていて、松本さんは個性立っている男性陣を鮮やかに描かれていて、とても素敵。
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