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『夜の底は柔らかな幻 上』恩田陸 [読書]

夜の底は柔らかな幻 上

夜の底は柔らかな幻 上

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/01/12
  • メディア: 単行本

国家権力が及ばない無法地帯-<途鎖国>。特殊能力を持つ”在色者”が存在するこの国で、一人の女性が訪れたのを機に殺戮と狂乱の舞台が始まる、ダークファンタジー。

恩田さんのダーク色濃いのを久しぶりに読んで、恍惚としてる。

最初から不穏な雰囲気で始まり、最後まで緊張感が緩むことなく下巻へ続く今作。 日本国内にあるも国家権力が及ばない<途鎖国>の基本情報も、”在色者”の能力も、主人公の目的やその背後関係も焦らされるように断片的に投げられていて得体の知れない感覚です。ただ、<途鎖国>に入国した辺りから暴力的な気配と恐怖がにじり寄ってきて、少しも安心できずに読み進めました。何だろう、分からない恐怖と気になる好奇心がないまぜになってる。とても気になります。

意外だったなーと思ったのはキャラクター陣。主要人物の年齢層は二十代後半~三十代辺り、かな。私の中で、印象に残るような魅力的なキャラは恩田さんの作品では十代が多かったんですけど、今回どれも濃い!! 実邦の周りの男性陣の個性と彼女との関係が、濃い!! 実邦が追いかける男性(キーパーソンらしい謎の人物。かつては華奢な体躯で”在色者”でも特異な存在な少年だったらしい。”山”のリーダー的存在)、そして実邦を執拗に追う男性(目的のためなら残酷な手段も厭わない冷酷な性格、美貌の男)、そして実邦が逃走中に出会った奇妙な男(淡い茶髪の女顔、ひょろりとした体型だが残虐性な一面を見せる)。あと彼女とは中立的な関係を築いているらしい、幼馴染みの男性も登場するしで…どの人も腹に一物抱えている物騒な奴らばかり。危険なのに惹かれてしまってます。中でも実邦に執着して追い回す葛城がどう関わってくるのか気になるところ。
色々と書きだしてしまってますが、久しぶりに特定のキャラクターにはまって興奮してるだけです。

さて、実邦が追う男が居るらしい”山”へ、下巻はついに入山する模様。”山”の特殊性、そして謎めいた危険を端々と語られていましたが、一体どうなるのか。


タグ:恩田陸
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コメント 2

藍色

上巻は、あっという間に読み切りました。
面白かったですけど、下巻になって
最後ちょっと慌しく終わった感じが残念です。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
by 藍色 (2015-10-13 13:40) 

香穂

☆藍色さん
コメントありがとうございます^^

上巻で盛り上がった分、下巻は少し
呆気なく終わった気がします。
総じて楽しく読ませて頂きましたが。

TBありがとうございます。
返信させていただきますね。



by 香穂 (2015-10-24 22:11) 

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