『PK』伊坂幸太郎 [読書]
『マリアビートル』から約1年半。伊坂さんの新作は連作短編でした。三つの独立した話かと思えば、繋がりが見えて思わずニヤリ。連作ものって、つい「ニヤリ」としてしまうのが好きだなぁ。三作の中では、特に表題作が好きかな。勇気は伝染していく話。現実ありえないと思っていても、実はもしかしたら自分の勇気が他の誰かの勇気に繋がるかも…と想像すると力を少し分け与えてもらえた気がする。
抗えない大きな流れのような圧力に直面したとき、自分はどうするのか。度々、伊坂さんの作品の中でそんな問いが投げかけられているような気がする。そのたびに考えるけれど、未だに確固とした答えが自分の中では見つかってない…というか、定まってないなぁと思ったり。作品として楽しむ一方で、色々考えさせられます。ちょっとした奇跡が欲しい時だってある。実際ありえない、できないだろうってことを一瞬でも覆すような奇跡を。それで勇気をもらって、伝染していけばいい。極端すぎるかもしれないけれど、希望を見いだせるような。
「 『臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する。』 」
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