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『幽霊伯爵の花嫁』宮野美嘉 [少女小説]

幽霊伯爵の花嫁 (小学館ルルル文庫 み 4-1)

幽霊伯爵の花嫁 (小学館ルルル文庫 み 4-1)

  • 作者: 宮野 美嘉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2011/06/24
  • メディア: 文庫

突然、優しい婚約者と離れ「幽霊伯爵」の元に嫁ぐことになったサアラ。周囲から恐れられている伯爵に対してサアラは積極的に関わろうとするが彼の態度はつれない。さらに夜な夜なサアラの部屋に訪れるのは…幽霊?! シリーズ第1弾。久しぶりに新規開拓。面白かった! ヒロインはちょっと毛色の違ったお嬢様。生まれ持った血と自らの美しさのみで切り開いていく肉食系…もとい、行動力ある女の子でした。いっそ清々しいまでの言動に最初は戸惑うものの、芯の通った姿(綺麗に言えば)に惚れた。己の魅力を分かっていて最大限に活かす人って素敵。

そんな彼女だから、いっけん無愛想で冷酷にも見える伯爵の姿も必然的に巻き込まれていくのが楽しかったです。クール系ヒーローが少しずつサアラによって崩れていくのが微笑ましい。それに彼女にしょっちゅう突っ掛かる少年エリオスも、蓋を開けてみれば可愛い子犬がじゃれてるようにしか見えなくなってくる。伯爵への思いがけなげで可愛いのです…。
そんな感じで基本ラブコメなのかなぁと思いながら読んでいけば、サアラの言動の裏側や伯爵の背景にスポットが当たるとシリアスな雰囲気も醸し出しつつ。真逆に見える二人が実は似たもの同士なのかも?と思えるシーンやサアラと幽霊少女が言葉を交わすシーンが印象に残りました。仮面を剥ぎ取った時の、心の奥底からの言葉が。

ラストの種明かしはすごく好み。溢れてくる思いと反動でしてやった行動にニヤニヤ。あーでもやっぱりラブコメなのかなぁ。エピローグのやり取りはたまらんです。ということで、すっかりはまってしまったので続きも読んでいきます。



タグ:宮野美嘉
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