『たとえ許されない恋だとしても』湊ようこ [├コバルト文庫]
アファリーン王国の<明星>と謳われる女将軍・レイア。メフル王国の<獅子>リギュロン。二人はお互いの素性も知らず祭見物の中で出逢い、惹かれ合う。だが、再び相まみえたのは戦場の、敵同士としてで―。
デビュー作が超弩級に好きだった著者の2作目、心待ちにしてました。良かった…大好き…。惹かれあった二人が敵同士として戦場で再会する―王道もの。 ロマンス7割の物語でしたが、背景にある政治的なやり取りだとかもしっかり描かれていて世界にのめり込めたのかな。それと、再会した時の…一騎打ちをしなくてはならない張り詰めた空気とか。あぁ良いなぁ。
もうね、二人が惹かれ合う過程がとても好きだった。それぞれコンプレックスを持っていて、そのテの方面に疎い(鈍い?)ことがあってか、不器用で真っ直ぐなやり取りがいちいちツボ。特に好きなのが、守り石のくだりと香油を選ぶ際。微妙に意識してるのに今一歩進まないじれったさ。 極めつけがリギュロンの褒め言葉に、良い意味で気が抜けた。
「赤」に嫌悪すら抱いていたリギュロンはいとしい「赤」もあるのだと知り、凛々しい女将軍は一人の女性として勇気を出したり。出会ったことで変わっていく二人が微笑ましい。その分、「その時」が切なくて。
個人的に、湊さんの作品は池上紗京さんのイラストで見たいと思っていたので、とても嬉しかった。
女は、愛する男に剣を向けた。
男は、愛する女に剣を向けた。
愛する民を守る為に。
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