京極夏彦『狂骨の夢』 [読書]
夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。神を信じ得ぬ牧師、白丘。夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。遊民・伊佐間、文士・関口、刑事・木場らも見守るなか、京極堂は憑物を落とせるのか?
骨、骨、骨―……。
シリーズ第3巻は、読んでる間ずっと「骨」という文字が頭から離れなかった巻だった…よ……。不吉。
フロイトやらユングやら心理学が一層濃い1冊、やや難解だったかも。 前巻が木場修視点が多かったからか、感情のままに読んでいた節があったしなぁ。
心理学は以前かじる程度に学んだくらいだったので、今回その深遠なモノに触れて面白いっちゃ面白かった。 ただ気持ちが暗くなる……。
倒錯―偏屈めいた感情が入り乱れていてまるで関口くんが乗り移ったような気持ちで読んでいたんだけど(笑)、こういうときにパッと突然現れる榎木津礼二郎にいーやーさーれーたー。 相変わらず、支離滅裂であの関口くんでさえも引くお人なのに、それが助かったよ! もうみんな暗いよ!!
まぁ、真実を知ってしまうとそんなこと言ってられないんだけど…。
(5/21読了)☆☆☆☆
→前巻:魍魎の匣(感想)
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