恩田陸『私の家では何も起こらない』 [読書]
小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。この家は、時がゆっくり流れている。幽霊屋敷と噂されるその家にすむ女流作家は居心地のよいこの家を愛している。血の海となった台所、床下の収納庫のマリネにされた子どもたち・・・・・・いったいこの家にはどんな記憶が潜んでいるのだろう。幽霊屋敷に魅了された人々の美しくて優雅なゴーストストーリー。恩田陸が描く幽霊屋敷の物語。ラストには驚愕の書き下ろし短編が!
やっぱり、恩田さんの本を読むとしっくりくるというか 落ち着くというか 馴染みますね。 こういう世界大好きです。 閉鎖的で薄ぼんやりした明るさな雰囲気。
もっともっと、こんな作品書いてほしいと思いました^^
ホラーと言うとおどろおどろしい感じがするけど、この作品だと上品なホラーといえばいいのかな。 怖くはないです、多分。 もっと深く彫れば醜悪な描写が、紙一重で上質な料理に変わっているから不思議。 このさじ加減がたまりません!
どのお話も、微妙にリンクしていてときどきデジャヴにかられるのもいいな。 夜に読んでいたから背筋が凍った。
恩田作品は、学生が主人公のお話が気に入ってますが(「六番目の小夜子」「麦の海に沈む果実」「ネバーランド」「夜のピクニック」等々)、最近の新作の中では結構上位に入りましたよ!^^
新ジャンルといえばいいのかなぁ。 『朝日のようにさわやかに』に収録されてる「あなたと夜と音楽と」が近いかもしれない。 ふっと、一線を越えたような異質な感覚。 ただミステリでもないしホラーと断言しにくい。曖昧なところ。
今回装丁も素敵でした。雰囲気に合っているといいますか。 カバー外すと仕様あり。
6月には、なんと上下巻の新作(bk1)、さらにエッセイ(らしい・bk1)も発売するみたいで楽しみ。 今月は「朝日のようにさわやかに」が文庫落ちだし、恩田陸ラッシュで嬉しい悲鳴をあげてますよ(笑)
謎が謎を呼ぶ連作短編形式で、一気に読んでしまいました。
凄惨な事件が軽い口調で語られるので、怖いのに穏やかな気持ちで読めた不思議な作品です。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
by 藍色 (2013-07-09 16:58)
☆藍色さん
コメントありがとうございます♪
>怖いのに穏やかな気持ちで読めた不思議な作品
まさに言い得て妙ですね! 事件の内容としては重たいものなのに、
著者の文章だからなのか不思議と重たさに引き摺られること無く
面白く読めた作品でした。
TBありがとうございます。返信させていただきました。
by ミナモ (2013-07-13 22:28)