西東行 『鳥は星形の庭におりる』 [少女小説]
双都オパリオンの貴族の娘プルーデンスは、ちょっぴりおませな十三歳。亡くなった祖母を弔うため、家族とともにアラニビカ島に向かうが、遺品から護符が見つかって―。島の迷宮の謎をめぐり、プルーデンスは大人たちの陰謀に巻き込まれていくことに。味方(?)となるのは、蒼い衣をまとった名無しの吟遊詩人。容易く女たちを魅了する彼の正体は―。
どうして今まで積んでしまっていたんだろ…すっごい良かった。大好きだーこれ。
プルーデンスの物言いはたしかに「ちょっぴりおませ」で、理屈めいた言葉でも可愛いなと
思ったんだけど一番惹かれたのは姿勢 かな。 家族から煙たがられて孤独を
味わっていても崩れることなく。頑固ともいうかも^^*
”無力”=”弱さ”としないで、にシビれた。
そして詩人!名もなき詩人!! なにあの身長差。悶えるよ。
言うことやること芝居がかってるようなところもあって、プルーデンス同様最初は
「うっさんくさいなー」と思っていたけれど。
だんだんそれが良くなってきたというか(ベタな言葉に哂いもするけどツボなのです)、
詩人の彼女への接し方がもうああああ可愛い可愛いと思っちゃう。
適度な距離感といいますか。甘くない、とは言い切れない。
【最後の抱擁と口付けは、まるで最後の別れのようで。うまく言えないのだけど、
次に会う詩人は、きっと今ここにいる”詩人”とは違った存在なのかもしれないと。
だからラストの場面はすごく寂しくてかなしくて、でもいとしい記憶になりそうな。感傷だよ。
口付けを「気持ち悪い」と思うプルーデルが素敵すぎる】
精霊や神々の存在が肯定されている(んだけど段々その信仰は廃れてきている?)
世界で、若干政治色も入ってきてたり。
もっと続いてほしい。けど、たぶんこの二人の物語はこれでお終いかな。
この世界での新作出てほしいなー。そうじゃなくてもこの人のは買いです。
拝読**狭間の広場さま
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