『七姫物語 第5章 東和の模様』高野和 [ライトノベル]
一宮シンセン都市の弱体化に端を発した東和の混乱は新たな局面を迎える。黒曜姫を掲げる旧王都一宮シンセン都市に、二宮スズマ都市の翡翠姫は対決を決意し、その軍勢を動かす。ついに起きた大国間の戦争に揺れる東和。そんな中、七宮カセン都市の宮姫である空澄姫は、四都同盟締結を望む双子姫の招きに応じて、五宮クラセと六宮マキセの双子都市へ向かい、彼女達に触れる。平和を語る姫達、独立を望む姫、改革を掲げる姫、そして、国体を背負う姫。ただカラが見つめるのは、流れる時代の中、姫達と人々が織りなす世界の模様。東和七姫が彩る物語。五章開幕。
シリーズ5巻。(⇒4巻の感想)
いよいよ物語も大詰めに迫ってきた様子。ついに激突した一宮シンセンと二宮スズマ。力技では、異国からやってきた王子の存在が強烈。この巻から出てきたのにあの存在感。テンや遊撃長と張るくらいって…!! 今まで戦はあったけど文体からか姫たちの場面もあったからか野蛮な空気はあまりしなかったような。彼の介入で血なまぐささを感じずにはいられなかったです。
戦場には一切出ずに飯を食ったり物売りさばいだりと、いちばんのんびりやっていただろうテン・トエコンビが、今回の出来事を大まかに手の中に収めているんじゃないのかと思ったとき、心底この二人組スゴイなと思ったり。存在感大きいなぁ。まわりから嫌われている人たちだけど、カラと同じく嫌いになれないし、好きだなあと思ってしまう。
さて今回で七姫全員つかめてきたかなー。
二宮はどうしても好きになれない人(都市)なんだけど、彼女の聡明さと指揮を担う態度には姫としてスゴイなと。まさかの展開にちょっとタジろいだり。カラの憧れの人・黒耀姫殿下も冷徹な目で東和を見据えスズマと対峙する姿に惚れ惚れ^^*
けど今回二番目にビックリしたのが5宮マキセと6宮クラセの巫女たち。前々から「ふわふわした雰囲気」の印象があったのでマイナスに見ていたのに、「完璧な”姫”」としての振る舞いを軽い目で見てられなかった。今回この2人には空澄姫と一緒に驚きっぱなしでした。その空澄姫も、常磐姫が一瞬危惧しているようにただの傀儡には収まっていない(無自覚に)^^
カラの見据える先に、どんな世界が待っているのか。1巻から通して読んでみると、やっぱり彼女は変わらず澄んだ瞳で世界を見ているよう。あまり感情に振り回されないで妙に冷静なところが時折少女らしくない気もしたけれど。そこが好きだっ!!w
あ、もちろん一番目は”彼女”の帰還です。ますます盛り上がってきた(私の中で)w
本当大好きです、この物語。
次で七姫の戦いはある程度収束がつくようで。
東和がどんな形に変わっても、カラはずっと前を向いて上を見上げていてほしいです。
(あとがきで、真姫と会うとか…!! どうなるんだ)
8/25.読了(★no.354)
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