『光』 [読書]
●あらすじ●天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が姿を現わす。あの秘密の記憶から、今、新たな黒い影が生まれようとしていた―。
果ての無い暴力。
しをんさんで、前回読んだもの(『ビロウな話で恐縮です日記』※かなり笑える)とあまりにも温度差が違う作品でびっくり。投げ出したい、というか、逃げ出したくなるくらい暴力の連鎖が激しく醜くかった。
前半の島中心の話は、特にその暴力が明らかで目が離せず。現在の話になると、一見鳴りを潜んだかと思ったものが再び滲み出てくる様子が怖かったです。その一方で、暴力という鎖に繋がれている彼らの姿はどこか切なかった。
読み終えた後、タイトルに込められた意味を考えます。光、と聞いてイメージするものは明るさや希望とか、そんなプラスイメージなんだけど今回はそんな物語じゃないしな。。なんというか、この話は暴力や憎悪・執着等の理不尽なモノが中心になっていて、光はそれを曝け出すキッカケのモノだったのかな、とか思いました。
…なんだか、すごーく重かった作品に捉えがちでしたけどいやいや勝手に信之と輔のやり取りにニヤニヤー。輔の信之へ執着してる様がもー、ごちでしたw
★★★★
(三浦しをん作品の感想)
『まほろ駅前多田便利軒』(読了:06/11/01)
『きみはポラリス』(08/09/26)
『乙女なげやり』(10/26)★エッセイ
『しをんのしおり』(11/01)★エッセイ
『格闘する者に◦』(12/07)
『秘密の花園』(09/01/17)
『ビロウな話で恐縮です日記』(23)★エッセイ
→『光』(27)
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