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蒲公英草紙 常野物語 [読書]

蒲公英草紙―常野物語 (集英社文庫 お 48-5)

蒲公英草紙―常野物語 (集英社文庫 お 48-5)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/05/20
  • メディア: 文庫
たんぽぽそうし。
ふっとその名前を思い付いた瞬間を、この歳になっても思い出すことがあります。
あの麗らかな春の午後、
暗い家の中から窓の外を眺めていた幼い頃の私を。(本文より)

うわぁ…。なんか、もう、恩田さん最高っ!!と叫びたくなりました。
『常野物語』の続編らしいですね。【しまう】一族の先祖が出てきました。

舞台は20世紀初頭、東北の農村です。
そこで旧家槙村家に度々行っていた少女・峰子の視点から物語が進みます。
時代と文章がとても合っているように感じました。
ぽかぽかとあたたかくなるような。

”今”の峰子が思い出す”あの頃”の様子があたたかく鮮明に描かれていて、彼女の”あの頃”への想いがすごく伝わってきました。
槙村家の一人娘で病弱な少女・聡子との出逢いや、話し相手として通い出してから知っていく槙村家の人々。
恋愛の要素があるようでないような曖昧なまま終わってしまったのが少し気がかりだったけれど、それさえもひっくるめて”あの頃”がいとおしく感じました。

常野一族との出逢いも、読者が【常野】について知っているだけに、面白い憶測をし合う子供たちのようすが微笑ましかったです。
【常野】の人はスパイス程度で、メインは”あの頃”の時代そのものかと。

とにかく、切なくてあたたかく感じられた物語でした。
ぶっちゃければ、前作『常野物語 光の帝国』をほとんど覚えていなかったのですが、別に支障はナシって感じ。
ああでも、無性に再読したくなりました。恩田さん大好きです♥


1票どうぞー。

タグ:恩田陸
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