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福音の少年 [読書]

福音の少年

福音の少年

  • 作者: あさの あつこ
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/07/20
  • メディア: 単行本

    ★★★+
文庫版もありますが、単行本の方が表紙が気に入っているのでこちらをアップ。
ふんわりした優しいタッチで描かれているのに、内容は緊迫感あるシリアス路線でした。
少し、(いい意味で)騙された気分。

同著の作品で挙げれば「NO.6」に非常に雰囲気が似ています。
特に、明帆と陽の二人の少年。
高校生らしからぬ冷徹な感情と、それに矛盾した未熟な心が垣間見える二人の言動が印象に残りました。
NO.6でも思ったことだけど、ほんの少し同性愛風な文章を書くんだよねー。
ただし、しっかり否定はしているから良いのだけど。ネズミと紫苑を思い出しました。

そしておっさんの介入によって彼らの追っていた事件の全貌が段々と明らかになり…と、最後まではいい展開だったのに、オチが投げやりのように見えたのは気のせいでしょうか。収拾がつかなくなったというか。
…筋は合っていると思うけれど、どこか納得できない終わりだったのが残念。

本当に、私好みな作品なんだけども!!
二人の少年 死んだ少女
確執 恋愛  執着
疑惑
おっさん

欲望  復讐

あー、またNO.6読みたくなってきました。


友情でもなく、同情でもなく、仲間意識でもない。
支え合っているとも欠損部分を補い合っているとも思わない。
ただ、欲望はある。
見ていたいという密かな欲求。
この男がこれからどう生きていくのか、どういう死に方をするのか、できればこの眼でつぶさに見ていたい。
これもまた、不可思議で奇妙な欲望だ。


1票どうぞー。

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