暗黒童話 [読書]
記憶と左眼球を失ってしまった「私」。
その「私」の感じ方や考えに共感してしまった。
””あ、うん、わかった……。
友達との、その程度の会話で心は破裂しそうになる。
おかしな発音じゃなかったか、ちゃんと私は笑えていたか、相手を不快な気持ちにさせていなかったか。””
乙一の作品て共感してしまうものばかりだけど、この『共感』がたまに嫌になることがある。
作品は好きだけど。
そゆことで今回も結構ズーン、と沈んだ気持ちになってしまったり。
でも、乙一の好きなところは沈んだ気持ちのまま物語が終わらないこと。
どんな悲惨な結末でも、最後に「頑張ってみよう」みたいな、ちょこっと勇気を出そうとする気になる文章を書いてくれる。
私は、「彼女」から、ほんの少しの勇気と、自分らしさをもらった気がした。
2006-07-31 19:55
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