『英国マザーグース物語 哀しみのロイヤル・ウエディング』久賀理世 [├コバルト文庫]
英国マザーグース物語 哀しみのロイヤル・ウエディング (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)
- 作者: 久賀 理世
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/09/29
- メディア: 文庫
都市伝説に関する記事を書くにあたって”殺人床屋”へ取材に向かうセシル&ジュリアン。取材を続けるうちに噂は本物かもしれないと疑念を抱いて…?また、アッシュフォード一家が皇太子妃のお茶会に招かれることに。シリーズ第3弾。
だんだん好きになっていくシリーズだなぁ。
最初の話はあの有名なスウィニー・トッドの話題を持ってきましたね。 そこにマザーグースの唄を使った仕掛けが施されていて、このシリーズらしい話だなぁと。マザーグースをヒントに謎を解き明かすって展開がやっぱりいいなぁしみじみ。
でも今回はその後の話の方に関心が。皇太子妃との交流で浮き彫りになった結婚への思い。ジュリアンへの感情の変化。秘密めいた青年との出会いと陰謀の影。副題が”彼女”の心中を思うとやり切れない気分に。
怪しげな降霊会に潜入するために”兄妹”を演じることになって時が一番にやけた。ジュリアン兄さん、意外とやりたい放題で、特に膝枕の辺りとか絶対起きてると思うのですが! 思わず髪に触れそうになって、そんな自分の行動に気づいておろおろするセシル嬢可愛い。無自覚に想いが募っているのが伝わってきてこれまたにやけた。
あと、お茶会に参加するために集まった女子会の会話が好き。アメリア嬢の存在感が増していて嬉しかった。前巻きりだと寂しかったし。逆に親友のエリザベス嬢の出番がなくて、あの押せ押せな雰囲気がなかったのが少し寂しかったかも。
1巻を読んだころは、自分の中で乗り切れない部分があったんだけど、巻数重ねていくごとに好感がぐっと高まっていってます。眼帯青年の思惑もセシルへの接触も気になるし、それを知ったジュリアンの行動が楽しみで仕方ない。
ふと、家族愛が丁寧に描かれているのが、このシリーズが好きなひとつかもしれないと改めて思ったり。押し出し過ぎず、でも気にもさせられる糖分具合も。
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