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『廃王国の六使徒』栗原ちひろ [少女小説]

廃王国の六使徒 (f‐Clan文庫)

廃王国の六使徒 (f‐Clan文庫)

  • 作者: 栗原 ちひろ
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2011/11/18
  • メディア: 文庫

呪術師や魔女が集う呪われた国・百塔街。美貌の青年・アレシュは父の遺産と魔香水を使って日々美と恋に耽っていた。だが、”街の浄化”という名目の国の破壊をしに訪れた司教クレメンテの驚異的な力に圧倒される。彼に対抗すべく、アレシュは個性溢れる者たちを揃え「深淵の使徒」を結成する――。

面白かったあああ!大好きー! デビュー以来の著者・絵師タッグに興奮し、想像以上の濃いゴシックファンタジー+挿絵の相乗効果に陶酔した。「きっとこうだろうな」の予想の展開を2回転ほど転がって終わった。主人公を壊れかけるまで落として堕として、そこから無様でも生きる姿とかたまらんね。

アレシュが結成した「深淵の使徒」たち。自称兄貴分の二流符術師、葬儀屋の首領、一千年近く生きる魔女、魔界の住人である少女メイド、そして百塔街一の遊び人アレシュを合わせて―あれっ5人?と思いながら読んでいたら最後に題名の「六」がようやく分かって。…楽しいなぁ。 使徒メンバーも濃ゆい濃ゆい。中でも、葬儀屋の首領にして大の人形好きなルドヴィークが好きー。挿絵見ると渋めのダンディなおじさまで、それでいつも人形を片手に持っているとか。ギャップが凄いなと想像する。

栗原さんはいくつかシリーズ読んでて、中でもデビュー作の「オペラ」シリーズが突き抜けて大好きで。あの退廃的な雰囲気の中キャラが生き生きしている感じがたまらなく好きだったので、今回懐かしい空気を感じてとてもニヤニヤした。うーん、これ一冊でも綺麗な終わり方だけど、続きを期待しちゃうな…!

「……アレシュ、貴様、まさか……」
呆気にとられた顔でミランがつぶやく。
最高に機嫌がよかったアレシュは、彼に片眼をつむって見せた。

「そうだよ。再結成しようじゃないか。『深淵の使徒』を。さいわいここには、百塔街最高の人材がそろってる。この素敵な街を、なすすべもなく浄化させるなんて僕はごめんだ」
                                             (P.132より)



タグ:栗原ちひろ
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