『首の姫と首なし騎士』睦月ケイ [└ビーンズ文庫]
建国の英雄の孫・シャーロットは本が好きで引きこもり気味の末姫。ある日、「首なし騎士」の異名を持つ騎士アルベルトと共に狩りに行けと命じられ…。 第9回角川ビーンズ小説大賞奨励賞受賞作品。
ビーンズ文庫で、中世ヨーロッパ風の世界で、ヒロイン視点で進む話―は珍しいような? 派手さはないけれど地味にジワジワと面白さが来ました。ひょんなことから国中から怖れられる騎士が護衛につき、祖父の遺言に振り回されるシャーロット。彼の「目的」を突っぱねようと躍起になる姫と飄々とかわす騎士のささやかな攻防戦が楽しかったです。書庫でのあれこれが良いなぁ。
第二王子と父にはある理由から憎悪の視線を向けられ、第一王子は政務のためいつも側にはいてくれない、どこか違和感を感じるシャーロットと家族。唯一の良心とも言えるべき第一王子の妹の溺愛ぶりに和まされましたが。肉親同士の掛け合いが苦かった…そして寂しい。
同レーベルで超絶好きな『シュガーアップル・フェアリーテイル』シリーズと、傾向は似ているかなと。硬派な印象。早くも続編は年始に読めるようなので、ちょっと気になるなぁ。家族の今後とか、騎士と姫君のこととか。
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