『雷の季節の終わりに』恒川光太郎 [読書]
すぐ側に在るようで、とても遠いような存在―「穏」。 その場所は、日常生活からスッパリ切り取ったような閉ざされた異界だった。 穏に生きる人、逃れる人、招かれる人、招かれざる者たちのお話。
恒川さんは日常から一歩踏み入れると異界に変わる―世界をつくるのが上手な方だと思っていましたが、本作も存分に不思議なセカイを堪能しました。 最初は「穏」という世界で繰り広げられる物語かと思いきや、実はそれが私たちの住む世界とほんの少しズレた場所に存在していると分かった途端、脳に穏の異質な空気が入り込んで…少し戦慄しました。。 後半は現実世界も舞台になってきますしね。
お話の運びも良かったです。 あのキーワードとか人物の示す言葉がここに繋がったのだと理解できると、痺れる感覚が。 雷、そして「彼」の描写が怖かったな…。
映画『千と千尋の神隠し』をもっと暗く怖くした感じw
最近新作は見かけませんが、いつでも待ちたい作家さんです♪
タグ:恒川光太郎
コメント 0