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甲田学人『断章のグリム(11) いばら姫・下』 [ライトノベル]

断章のグリム〈11〉いばら姫〈下〉 (電撃文庫)

断章のグリム〈11〉いばら姫〈下〉 (電撃文庫)

  • 作者: 甲田 学人
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2009/08/10
  • メディア: 文庫

庭に出されていた田上颯姫は、恐る恐る戻ってきた居間の前で立ち尽くす。床に凄惨な血溜まりと、ずーっと廊下の向こうへと続く人間を引きずったような血の痕が残る、誰もいない返事もない居間の前で―。異形化した母親と荒んでいく家族関係、そして閉ざされた真喜多邸。雪乃たちを助けにきたはずの蒼衣も隔離され、惨劇は予想以上に拡がっていく。抗える者が減っていく中、雪乃の身体に異変が―。


いばら姫下巻。今回のグロネタは…ちょ、ほんとうにもう、拒絶反応が出ました。
でもグロさとホラーさと人間関係が巧みに練り込まれていてついつい読んでしまうんだよねぇ。。

上巻のラスト、心のオアシス的存在だった弟くんのあまりにも残酷な末路にただ呆然とするしかなかったんですが今回はもっと酷い!酷い展開すぎて泣けてきた。 殺人も厭わない状況を作った<泡禍>の異常現象に改めて恐怖。 いつも通りに、やり切れない……。

今回は親と娘の間にある深い亀裂がどう変わっていくのか、<泡禍>によって何をもたらしたのかが気になっていたんだけど…なんって結末!誰も報われてない!! さすが!←
理緒の父親や祖母への―大人への主張には少しホロリときてしまったんですけど、それでも届かない虚しさったらないよ。 大人たちにも事情はあったとわかっているけど、なぁ。 誰が悪いのか。 心が弱い親が悪かったのか。 「理緒」になりきれてない理緒が悪かったのか。
蒼衣も思っていたけど、誰が悪いというわけじゃあない。けど、それがいけなかったのかもしれない。
後味が苦く残ってしまう終わり方でした。

一方で蒼衣や雪乃たち<騎士>勢にも人数が増えそうな変化が。 こんなホラーでグロイ展開を見せているのに、ちょっとした蒼衣くんと雪乃ちゃんの掛け合いだけに和みを感じていました。「姫」発言とか!(でもこれって今後の伏線、ということにならないかな。 最後は「白雪姫」で終わるとしたら。眠り云々とか。)

 

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タグ:甲田学人
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