初野晴 『退出ゲーム』

退出ゲーム

• 作者: 初野 晴
• 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
• 発売日: 2008/10/30
• メディア: 単行本
• 値段：1575/購入♪

●あらすじ●穂村チカ、高校一年生、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみで同じく吹奏楽部のホルン奏者、完璧な外見と明晰な頭脳の持ち主。音楽教師・草壁信二郎先生の指導のもと、廃部の危機を回避すべく日々練習に励むチカとハルタだったが、変わり者の先輩や同級生のせいで、校内の難事件に次々と遭遇するはめに―。化学部から盗まれた劇薬の行方を追う「結晶泥棒」、六面全部が白いルービックキューブの謎に迫る「クロスキューブ」、演劇部と吹奏学部の即興劇対決「退出ゲーム」など、高校生ならではの謎と解決が冴える、爽やかな青春ミステリの決定版。

初・初野さん。めっちゃくちゃ面白いーっ!!!
何だこの本、すごく、いい。正当で、かつミステリ要素もきっちりしていて、良質な青春ミステリでしたっ（＞▽＜///

＜古典部＞シリーズが好きな人は、絶対こっちもいける。連作短編集。
単行本は普段買わないけれど、思い切って買ってみてよかったー

少女・チカの恋のライバルは美少年の幼馴染・ハルタって設定からわくわくする。とんだ三角関係。新鮮に響きました。どちらも初恋、どちらも譲れない「想い」が合間に挟まれていたりで、彼らの恋路がどんな展開を見せていくのかドキドキですっ。ハルタの方に分があるように見えるときもあるし、チカも必死こく姿とか可愛いなぁって思うし、…ああ、どうなるんだ二人の恋ゴコロっ!!

上のコンビだけでなく、周りを固めるキャラも素敵っ。変人奇人が多い学校だけれど（奇人十傑の異名を持つ人たちがいるらしいし。。）それが無理してないキャラと言いますか。彼らが属する弱小吹奏楽部（12人）が奮起して部員を増やしていこうって姿とか、だんだん部員が増えてきて活発的になっていく部活動とか…そんな描写がすごく好き。青春だ。

チカ＆ハルタの恋愛（オイシイ要素）がオマケ程度の描写しかなかったのが少し残念だったけれど、本場は青春ミステリ。すごく魅せてくれた。一見、単純のようでいて深い意味を持つトリックは らしい なーと。更に、そこで出てくる知識がハンパない。偏りがなく、ジャンルに富んでいるからどの話もついつい惹かれてしまう。んで、最後に思わずこみ上げてくる。

お気に入りは『退出ゲーム』『エレファンツ・ブレス』。

初恋の行方とか、先生のちょっとした謎とか、まだまだ知りたいことがあるので、是非続刊を…続刊を!!!

★★★★☆

タグ：初野晴

コメント 4

>kaz777さん
>「直chan」さん

niceありがとうございました✿
by ミナモ (2009-02-19 08:34) 

>ICE★DOLLさん　
niceありがとうございました✿
by ミナモ (2009-02-22 01:14) 

やっと図書館から借りることができました。
おもしろかったです～。
最近、高校生が主役の小説やマンガを読むことが多いんだけど、これは爽やかなミステリですね。

事件の謎解きも面白いけど、そのたびに吹奏楽部の部員が増えていくところがいいね。
わが家の娘たちも吹奏楽部なので、楽器のうんちくも興味深かった。

４作品とも面白かったけど、「クロスキューブ」がスキでした。
弟の気持ちがね･･･なんだか優しくて･･･ほろりときました。

先生がなぜ教師になったのか、謎が残るよね～。
それにチカはともかく、ハルタの恋心がどうして芽生えたのかも気になるところです。
これは続刊だよね～！これで終わりなんてだめだよね～！

by sherry (2009-06-09 21:56) 

>sherryさん　
おお、退出ゲーム！！
すでに懐かしい気分です。また再読しようかな…★ｗｗ

そうそう。いつの間にか、吹奏楽部員が増えてきててにやにやしちゃいます＞＜///
音楽経験ある方はさらに楽しめる具合ですよねぇ。

クロスキューブ、最後の言葉にホロリ…です。どの話も好きで、これがベストって決められないです、私；　←どんだけのめってるんだ

そうそうそうそう！←
恋心の行方も気になるけど先生の存在自体が不思議さんなので（笑）、続きが気になります。というか、出てっ（切実）！！
by ミナモ (2009-06-09 22:47)