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断章のグリムⅦ 金の卵をうむめんどり [ライトノベル]

断章のグリム (7) (電撃文庫 (1574))

断章のグリム (7) (電撃文庫 (1574))

  • 作者: 甲田 学人
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2008/04/10
  •        メディア: 文庫

    ★★★+
初の短編集。
風乃の表紙が好き。透明感のある卵の殻綺麗に見えたり崩壊のようにも見えたり。

「よくばりな犬」これだけが一番普通に読めました。あとは…キツ。
遊美の葛藤と、それを乗り越える場面が好きです。

「アリとキリギリス」後味、悪ー。
特に、亡くなった美幸の方に感情移入できるからか、彼女の苦しみも分かるし、だからと言って比奈実が全て悪いわけでもないし…。
感情のすれ違いがあんな悲劇を起こすなんて、やりきれないです。
それでも、また元の日常へと返っていく描写は、たまらなく複雑な気持ちになりました。

「金のたまごをうむめんどり」表題作。やっぱり一番最後にきましたか。
後味最悪。(褒めてます)
雪乃や風乃の数年前のお話。
風乃の心の内を知ることができてよかったのかもしれませんが、この後にあの事件を起こすのですからなんともやりきれない。
しかも、雪乃の友だちの翔花のエピソードもあんな結果で終わってしまうし。
一番胸糞悪い感情オンパレードでしたが、一番面白かったです。
今まで残虐な所しか見せなかった風乃の意外な一面が見れてよかったです。


「Missing」のように、ホラーを追求するのかと思いきや、精神的にジワリジワリと追い詰めるような「断章のグリム」シリーズ。
次回はどんな展開が待ち受けているのか。
怖くもあり、楽しみでもあります。


雪乃は、まだ生きている卵。
姉はもう死んでしまったのに、それを教訓に大切に育てられ、そして姉である卵の死を未だ信じていない、輝かしくて愚かしく、そして妬ましく---愛おしい、卵。


1票どうぞー。

タグ:甲田学人
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