西東行『神々の夢は迷宮』 [少女小説]
少年ワツレンは、海の上で生涯を送るという海人の一族に育った。左半身にほどこされた銀色の美しい刺青が、その証。だが、大嵐に襲われ両親と仲間たちを失ったワツレンは、海軍将校のルーザ=ルーザに命を助けられ、王都の迷宮管理庁で暮らすことになる。王国の至宝を守るために造られた迷宮の謎は、誰にも解けないはずだったが、ワツレンは…!?
昨年の個人的ベスト作品たちのひとつ、『鳥は星形の庭におりる』の西東さんの新作。すっごく楽しみにしてました。 同じ世界だけど物語は単発ものっぽい。 性格もまったく違うけれど、”詩人”が出てきて嬉しくなった。
保護者二人の少年ワツレンへの配慮とか、やり取りがそれぞれ良いなぁと。良いなぁ。
そして、「神々の遺産をもとに築かれた」世界が、一気に広まった感じ。 奥深いの―。
数字を使ったロジックには今回も舌を巻く思い。わっかんないよそれは!でも面白い。
またこの”世界”繋がりで新刊を出してほしいなぁと思いました。
さて故郷を喪ったワツレンくんと、他人との距離を置きたがるエトの微妙な距離感が個人的にツボでした。 今回、メインキャラに一人も女性がいなかった(ユーフラテスや迷宮管理長もメインまでいかないだろうし)のが、ちょっと意外というか残念といいますかー。。
喋り方が丁寧だったからあまり意識しなかったけど、そういやエトも男性だったか。 もっと粗雑な人だったらあまり魅力を感じなかったかもしれない1冊。 エトが中性的で良かったヨ。
わりと男の子祭りでも楽しい。変な深読みもしないし、とても純粋な1冊だったなぁとか。 保護者二人とワツレンの関係が結構好き。 親子・・まで年は離れてないけど、和むなこの3人。 ルーザ=ルーザとワツレンが抱擁する場面+挿絵に涙出てしまった(良かったねぇワツレンって意味で)
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