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『キスよりも遠く、触れるには近すぎて ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』青木祐子 [├コバルト文庫]

クリスとジャレットが知り合ったいきさつ、クリスとシャーロックの往復書簡、シャーロックの従僕アントニーが奮闘する日々、そしてハクニール家公爵夫妻の馴れ初め話を収録の短編集。

前巻にて、この人達の話も読みたい…と思っていた心を読み取ったかのようなエピソードが詰め込まれていて嬉しかったです。今でこそ主要人物として描かれているジャレットも、そういえば本編初登場は唐突だったのにクリスたちと馴染んでいたなぁと思っていました。彼の本心は相変わらず煙に巻かれたかのような印象を受けましたが、本編或いは短編集か何かで触れられるんだろうか…。

一番読みたかったのがハクニール家夫妻の話でした。すっごく嬉しい。前の話でクリスとシャーロックの手紙のやり取りがありましたが、それを読んだ後でアルフレイドとソフィアの往復書簡を読むと妙な既視感を持ち、さらにあきさんのおまけ頁で納得。ああ…親子だなぁ。

忘れちゃいけないアントニー青年の話。あきさんの後書きのおかげもあってかとっても好きです。 報われてほしいと思いつつも、イアンの顔がよぎってしまうのですが…。ほんのり温まる短編集でした。


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『恋のドレスと翡翠の森 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』青木祐子 [├コバルト文庫]

ハクニール家での仕打ちに耐えるクリス。そのさなか、シャーロックは父アルフレイドに頭をさげ、ついにクリスを晩餐会に招待する約束を取り付けた。しかし、クリスと決別したはずの母・リンダが庇護する少女リコが無邪気な残酷さをクリスに向けていて…。シリーズ第20巻。

ここまできたんだなぁクリスとシャーロックは。 

お話が丁寧に畳まれていき、終わりの気配を端々に感じて寂しくなります。闇のドレスの一件もようやく落ち着いたのかな。アイリスとフローレンスのシーンは思わず1巻を思い出してしまいました。1巻当初から悪役の位置に立っていたアイリスも変わったんだなぁ。 この件で最後の気がかりであろう少女リコのキャラは思った以上に手に負えない感じで、収拾はついたものの少ししこりが残りました。そしてクリスの母・リンダ。翡翠の森を駆けた彼女の感情の吐露は寂しさを感じるしかなくて。…って、このシリーズは次々とキャラに愛着がわいてキリがないです。

結局、クリスとシャーロックの結婚はまだ確定まで行きませんが、それでも着実に前進してます。どうか、幸せを掴んでほしい。

 

「結婚しよう。クリス。いいね?」

「……するわ。 あなたと結婚する、シャーリー」

ちょっとしたネタバレ注意


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『恋のドレスと陽のあたる階段 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』青木祐子 [├コバルト文庫]

シャーロックから求婚され戸惑うクリス。身分の差を越えて共に居られるために、二人はシャーロックの実家・ハクニール家へ訪れるが…。シリーズ第19巻。

ああ、クリスは強くなった。

前巻から、次は最大の障壁とも言えるハクニール公爵家へ乗り込んだ二人ですが案の定苦しい戦いのよう。今までのお話でクリスたちに好意的な人たちも敵に回ってしまうのは心苦しかった…し、クリスが悪意や妬みに晒されているのを見るのは辛かったです。自分が笑われものになるって、けっこう重い。 けれど、今回は思っていたよりも大丈夫でした。著者曰く「深刻なケンカ」の頃が、よっぽど個人的に一番打ちのめされてダメージを受けていたよ。。というのも、クリスに救われたんだなぁ。彼女の芯からの強さ、成長ぶりに助けられました。

逆にシャーロックには…いえ、基本彼も応援してるんですけど、こう、時々残念な目で見てしまう…愛あってこそ、ね! 今回はあまりにも間が悪いというか、彼自身も無自覚の地雷を踏むというか…不運が重なってしまって少し可哀想なほどでした。あきさん、ナイスシーンを選んでくれました(笑)
というか、あれだけ恋し愛し合っているのにそういやまだ求婚の返事もらってないんだなぁ。。ローストビーフも未だ叶わずだし…シャーリー色々と我慢してるよ。
…何度も思うけれど、シリーズ開始時は絵に書いたような理想のヒーローに憧れながら読んでた自分がいたんだよね。

この巻を読むまで、大分時間がかかりました。ドロドロしい展開が待ち受けているだろうと思い、中々一歩踏み出すことが出来ませんでしたが、それでも読みたい欲が上回り。読み始めたらあっという間に夢中になったよね!やっぱり大好きです、このシリーズ。


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『薔薇の純情 背徳の黒き貴公子』響野夏菜 [├コバルト文庫]

薔薇の純情 背徳の黒き貴公子 (コバルト文庫 ひ 5-92)

薔薇の純情 背徳の黒き貴公子 (コバルト文庫 ひ 5-92)

  • 作者: 響野 夏菜
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/11/30
  • メディア: 文庫

銀糸のような髪と菫色の瞳を持つジェーンは教皇庁に所属するヴァンパイア・ハンターだ。明るく元気でおしゃれ磨きに余念がない(惚れっぽい所が玉に瑕)相棒のアニーと共に、吸血鬼に狙われていると噂される伯爵令嬢のもとに訪れるが…。

女の子たちが活躍する話は楽しい!

ダブルヒロインもののお話を読むのって久しぶりかもしれません。見た目も趣味も系統が違う少女二人がそれぞれの個性が光っていて、彼女たちの遣り取りは見ていて面白かったなぁ。それに吸血鬼が登場する舞台なので、言わずもがな艶のある背徳的な雰囲気は私好みでしたし、仄かなロマンス要素もぐっときました。耽美とか薄暗い雰囲気とかどこか背徳的な空気に弱い私ですが、今回の事件はまさに当てはまってましたねー。

ヒロインの片方・ジェーンの秘密は匂わせたままで引いてしまっていたので、けっこう明らかなものの、その事実が相棒のアニーや惹かれている同僚の青年にどう関わってくるのか気になるところです。
あと、直球なまでの仇の存在感が素敵ですよ。美しく咲いてこその悪の華。ということで、仇との絡みも気になるのでぜひ続きを!お待ちしてます!!
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『写楽あやかし草紙 月下のファントム』希多美咲 [├コバルト文庫]

写楽あやかし草紙 月下のファントム (コバルト文庫)

写楽あやかし草紙 月下のファントム (コバルト文庫)

  • 作者: 希多 美咲
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/11/30
  • メディア: 文庫
火事で死にかけていたところを妖の頭目・上総に救われ、妖の眷属「斎藤楽真」として生まれ変わった浮世絵師・東洲斎写楽。人に害をなす妖退治をするため、潜入捜査を始めるが?

表紙の主従を逆にとらえていたわ。

内容知らず先入観で表紙中心にいる青年が主で右手の彼が従と思っていたので読み始めから混乱しかけてました…。そんな誤解はさておき。史上の人物が全く別の存在として生まれ変わって動く話は、余り好きではありませんが、時代設定や妖絡みは好み。
楽真の兄貴分的な喋るウサギが居て楽しかったです。楽真につっかかってきたり、気を回して空回りかけたりしていて面白かった。逆に主人であるはずの上総の存在感が薄かったような。いや、良い兄さんぶりで危うく妖の頭目であること忘れかけてた。。楽真とのやりとりは妙に思わせぶりな文章が気になったけど、主従関係と言うよりは優しい兄さんと意地っ張りな弟のイメージでした。

直球なお話で個人的にはもっと裏があるのではと勘ぐってしまった。

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『鬱金の暁闇12 破妖の剣6』前田珠子 [├コバルト文庫]

鬱金の暁闇 12 破妖の剣(6) (破妖の剣シリーズ) (コバルト文庫)

鬱金の暁闇 12 破妖の剣(6) (破妖の剣シリーズ) (コバルト文庫)

  • 作者: 前田 珠子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/04/28
  • メディア: 文庫

乱華の身体に宿り、ラスの前に現れた金の妖主。実の娘に向けられた目には殺意のみが浮かんでいた。シリーズ第6弾その12。

王蜜の妖主の真意とは?

父親を倒さない限り、本命の雛の君と闘うことが出来ないようだけど、自分の味方(および肉親)にはめっぽう甘いラスにはただでさえ葛藤から抜けだせず踏ん切りがつかない状態。 で、前回から膠着状態のままだったけれど…。

世界の異変は国の端々から現れ混沌とした気配が訪れるなか、地上組も頑張ってますよ。そういやチェリクは夫と逢う気はあるのだろうか…。娘と夫が対決する修羅場にあの彼女が乗り込んだら更に収集がつかない気がしますが。。二人の馴れ初め話も読んでみたいものです。本編が進むのを前提としてで。


タグ:前田珠子
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『鬼舞 見習い陰陽師と災厄の薫香』瀬川貴次 [├コバルト文庫]

鬼舞 見習い陰陽師と災厄の薫香 (鬼舞シリーズ) (コバルト文庫)

鬼舞 見習い陰陽師と災厄の薫香 (鬼舞シリーズ) (コバルト文庫)

  • 作者: 瀬川 貴次
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/06/01
  • メディア: 文庫

陰陽寮を襲撃した鬼の一件は始まりに過ぎなかった。怪しげな香りは道冬たち陰陽寮生に留まらず御所も巻き込んで…。暗躍する影の正体が少しずつ明かされていくシリーズ第6弾。

面白かったー! どんどん面白くなるなー。名前は挙げられていたけれど今まで出てこなかった彼の登場が。意外な性格をしていそうですねー、晴明父の過去編とか読んでみたい。道冬も、道冬を取り巻く人達も謎が明かされたり、まだ引っ張り続ける謎もあったりと、目が離せません。

あと、道冬争奪戦に一人(?)参加者が。安倍兄弟の取り合いの方が微笑ましいレベルに見えてくるほど熾烈な(一方的な?)戦いがかいま見えます。というか、畳の嫉妬具合が本気過ぎて笑えます。畳に勝利の日は来るのか怪しくなってきたぞ…。まぁ今回は最後の中宮様にやられましたが。読んでみたいです、とりかえばや鬼舞物語。道冬と、もう一人の配役は誰になるかな。。


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『英国マザーグース物語 哀しみのロイヤル・ウエディング』久賀理世 [├コバルト文庫]

英国マザーグース物語 哀しみのロイヤル・ウエディング (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)

英国マザーグース物語 哀しみのロイヤル・ウエディング (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)

  • 作者: 久賀 理世
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/09/29
  • メディア: 文庫

都市伝説に関する記事を書くにあたって”殺人床屋”へ取材に向かうセシル&ジュリアン。取材を続けるうちに噂は本物かもしれないと疑念を抱いて…?また、アッシュフォード一家が皇太子妃のお茶会に招かれることに。シリーズ第3弾。

だんだん好きになっていくシリーズだなぁ。

最初の話はあの有名なスウィニー・トッドの話題を持ってきましたね。 そこにマザーグースの唄を使った仕掛けが施されていて、このシリーズらしい話だなぁと。マザーグースをヒントに謎を解き明かすって展開がやっぱりいいなぁしみじみ。
でも今回はその後の話の方に関心が。皇太子妃との交流で浮き彫りになった結婚への思い。ジュリアンへの感情の変化。秘密めいた青年との出会いと陰謀の影。副題が”彼女”の心中を思うとやり切れない気分に。

怪しげな降霊会に潜入するために”兄妹”を演じることになって時が一番にやけた。ジュリアン兄さん、意外とやりたい放題で、特に膝枕の辺りとか絶対起きてると思うのですが! 思わず髪に触れそうになって、そんな自分の行動に気づいておろおろするセシル嬢可愛い。無自覚に想いが募っているのが伝わってきてこれまたにやけた。
あと、お茶会に参加するために集まった女子会の会話が好き。アメリア嬢の存在感が増していて嬉しかった。前巻きりだと寂しかったし。逆に親友のエリザベス嬢の出番がなくて、あの押せ押せな雰囲気がなかったのが少し寂しかったかも。

1巻を読んだころは、自分の中で乗り切れない部分があったんだけど、巻数重ねていくごとに好感がぐっと高まっていってます。眼帯青年の思惑もセシルへの接触も気になるし、それを知ったジュリアンの行動が楽しみで仕方ない。
ふと、家族愛が丁寧に描かれているのが、このシリーズが好きなひとつかもしれないと改めて思ったり。押し出し過ぎず、でも気にもさせられる糖分具合も。


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『鬼舞 見習い陰陽師と爛邪の香り』瀬川貴次 [├コバルト文庫]

鬼舞 見習い陰陽師と爛邪の香り (鬼舞シリーズ) (コバルト文庫)

鬼舞 見習い陰陽師と爛邪の香り (鬼舞シリーズ) (コバルト文庫)

  • 作者: 瀬川 貴次
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/03/01
  • メディア: 文庫

シリーズ第5弾。安倍清明の息子二人から術の手ほどきを受け始めた道冬。一方、道冬の従者・行近は彼の過去を知る者と接触する。界隈に出現した「鬼」。妖異は次第に都へと手を伸ばし…。

右近の中将さまお久しぶりだね待ってた!

今回は特に行近に焦点当たってました。肝心の所は明かされていないけれど、おおよその背景が分かってきたような。道冬への忠義は何の含みもないようなので少し安心した一方で道冬じしんがやっぱり不安になってきた…。着々と人外問わず虜にしていってる道冬が、無事立派な陰陽師になれるには…まだ実力や経験以外に障壁がありそうで、そろそろ、真相を知りたい…!! 彼の継子だからといって、あの様子は何かおかしいし。。

今回は吉平兄さんの出番は少なかったですが、代わりに弟くんが面白くて満足。普段は先輩風ふかしているのにどこか子どもっぽさが残っているところとかが色々と伺えて。兄と道冬の距離が縮まったと察知したと思えば、気に入りの玩具を横取りされるような心境に陥ったり、馬の合わない陰陽寮生に対して結構あけすけに好戦的だったり…。本当に普段仮面被れてるのか不安に思うほど表情豊かで見ていて楽しいです。でも兄さんもっと活躍してもいいのよ。


タグ:瀬川貴次
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『ロスト・グレイの静かな夜明け』野村行央 [├コバルト文庫]

ロスト・グレイの静かな夜明け (コバルト文庫)

ロスト・グレイの静かな夜明け (コバルト文庫)

  • 作者: 野村 行央
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/08/01
  • メディア: 文庫

心残りを抱えて亡くなった者だけがたどり着く“霧の壁"の向こう。不慮の事故で死者となった少女アズサは“霧の壁"の向こう側で目覚めた。傍らには不思議な少年がいて…。

ある条件を満たした死者だけが辿りつけるもうひとつの世界。一度現世を離れた少女がふたたび生を手にして、見知らぬ町で生きていく。主人公が故人だから切ない話になるのかと先入観を持って読み始めたせいか、少しイメージのずれがあった。けっこう淡々とした空気でした。 蘇ったというより生まれ変わって第二の生を歩むイメージかも。それでも生前の記憶は持っているから、まったく違う人生とは言い切れないか。

ひととひととの繋がりの大切さや、かつて繋がっていた絆が解かれてしまうむなしさ。想いのベクトルに微妙なズレがあって少し心が重たくなる3人の物語、沁みます。アズサの物語には…どんな感情がついてくるのだろう。

世界観は好きだけど本質がぼかされたまま終了したので続編期待するべきかな? 一番モヤッとしたのが、アズサ知らない(忘れてしまった?)「心残り」の理由や表題の意味が本作で明かされなかった所。たぶんロスト・グレイは”霧の壁”の向こう側のことを指してるのかなとは思いますが…。でも、作品全体に漂う淡々とした雰囲気、静けさと「静かな夜明け」って言葉はすごく似合う。でも何だか消化しきれない部分もあってモヤモヤ。


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