『烏に単は似合わない』阿部智里 [読書]
姉姫の代わりに世継ぎの若宮の后候補として宮廷に赴くことになった「あせび」。八咫烏が支配する世界で、春夏秋冬の名を持つ四家より遣わされた姫君たちの雅で熾烈な争いの先は…。シリーズ第1弾。
若宮の寵愛を受けるためお家ぐるみで競う麗しき春夏秋冬の姫君たちの物語と思ったら!終盤にかけての展開が思いがけないもので、すっかり、すっかりやられました。
特筆すべきは八咫烏の世界観や情景描写!緻密な舞台なのに違和感なくするっと世界に入れました。『獣の奏者』読んだ時のような驚きだ…。最後まで読み終わると印象が変わりますが、月夜に舞い散る桜吹雪の場面がお気に入りでした。そして、登場するものたちの物語に魅力とおそろしさを抱きましたよ。特に中盤で明かされるとある姫の物語が切ない。(第三者から見ると結構薄気味悪い雰囲気出していたのに…)それにしても初見で抱いた印象が最後には大幅に変わるとは。。
中盤までは酒見さんの『後宮小説』を彷彿とさせる雰囲気で、これは少女小説読みさんは特に好きではないかなぁ。 ある姫が仮面を剥いだあたりが女の闘い&政の駆け引き最高潮だったー…。
続編も今作とは雰囲気が変わり主従たちが活躍すると聞いているので、ぜひ読みます!
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