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『ばけもの好む中将 平安不思議めぐり』瀬川貴次 [日々のことでも]

ばけもの好む中将 平安不思議めぐり (集英社文庫)

ばけもの好む中将 平安不思議めぐり (集英社文庫)

  • 作者: 瀬川 貴次
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/04/19
  • メディア: 文庫
十二人の姉がいる末っ子の長男・宗孝は、ある日御所に鬼が出たとの噂を耳にする。仲間たちとの度胸試しで確かめに行くと、怪異を愛でる変人と名高い中将と遭遇し…。シリーズ第一巻。

別シリーズの『鬼舞』は、本物のあやかしたちが面白可笑しく描かれていてコメディ色が強いシリーズだけど、今作は同じ舞台でも雰囲気はずいぶん違うなぁ。あやかしの仕業とされていた不可思議な現象が全て人によるものだったこと、その背景が人の情念や柵といった面を掘り下げていて、より深いドラマが見れた。

主人公の中流貴族・宗孝は、ある一件以降、美貌の「ばけもの好む中将」に関心を持たれて度々怪異探しに巻き込まれることになるけれど、この二人のデコボコなやり取りが楽しい。それ以上に宗孝の十二人の姉上たちが多彩な方たちばかりで、主に宗孝に絡む(というよりいじる)ところが楽しくてしゃーない。まだ登場していない姉上たちの出番もとっても気になるところ。

しっかし、左近中将と聞くと『鬼舞』に登場する魅惑の右近中将を思い出す。花形の役職だからか、揃って二人とも美貌の青年。(そして、それぞれ違った色の持つ青年で主役を振り回しているのが楽しい)

タグ:瀬川貴次
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