『冬虫夏草』梨木香歩 [読書]
亡き友の生家の守を託されている駆け出し文士、綿貫征四郎。行方知らずの愛犬ゴローを探しに、目撃情報があった鈴鹿山中に分け入った彼が目にしたものは―。『家守綺譚』に続く、綿貫征四郎が出会う不思議な出来事を描く。
まさかの続編でした。びっくり。(単発でも読めますが)
愛犬を探しに綿貫青年が旅する話なので舞台はがらりと変わっていたものの、前作同様に摩訶不思議な光景に出会えて嬉しくなる。ひとの世界で人外のものたちが違和感なく闊歩する、常識があっさり通じない世界にうっとりします。本人が知らぬうちに時の狭間に足を踏み入れたり(多分そうであろう’と匂わせたまま)元の世界へと戻ったりする、とあるお話が好きでした。 しっかし、綿貫青年が旅するきっかけになったゴローが、彼?自身の登場はないのに彼の関わるお話が奇妙のためか存在感が大きくて、それが何だか愉快でした。
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