『夜の国のクーパー』伊坂幸太郎 [読書]
妻に浮気され、一人彷徨っていた「私」は気がつけば身動きの取れない状態にいた。そして傍らには喋る猫がいて…。猫は彼が住む人間の国の事を語りだす。侵略者が来た日の事、ネズミとの対峙、そして昔から伝わる”クーパーの戦士”…。これは猫と戦争と、そして何より、世界の理のおはなし。
伊坂さん初の異世界ファンタジーものだ! 興奮した。
猫が人間に話しかけるというファンタジックな序盤だったものの、猫の「トム」が話す、彼の住む国に降りかかった事や、そこで起きる理不尽な展開は嫌らしい人間らしさが染み付いていて妙にリアルな心地を味わっていた。特に話中でも度々挙がる、英雄的存在の「クーパーの兵士」の真実が、想像と現実とのギャップが大きかった。 そのうえでラストまで読めば、やっぱりこれは現代的のようでいてファンタジーなんだなとしみじみ思う。
舞台が敗戦国だから人間側では嫌な展開ばかりが続くけれど、合間に挟まれる猫側の話はこれまたファンタジーな展開と猫の仕草に和まされる。(そう思っていたら、猫たちも人間側の話に巻き込まれていくのだけど!) わくわくしながら読みました。
タグ:伊坂幸太郎
面白そうですね~!
猫大好きなんです>▽<
伊坂さんが描く人間の負の面ってリアルですよね。
読んでみたいです。
by リュカ (2013-05-15 18:36)
☆リュカさん
面白かったですよ~!猫好きならなおさら楽しめるのではないかと。
猫達の気楽さと人間側の苦しみや負の描写の落差があって印象的でした。
ぜひぜひ♪
by ミナモ (2013-05-16 22:53)