『空を飛ぶための三つの動機 THANATOS』汀こるもの [読書]
空を飛ぶための三つの動機 THANATOS (講談社ノベルス)
- 作者: 汀 こるもの
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/06
- メディア: 新書
死神双子と彼らのお守役の刑事が例のごとく不運に見舞われ山奥で遭難した。辿り着いた先には数人の子供たちと大人が暮らす施設。不思議な館は、死神たちの来訪によりデスゲームと化す。
シリーズ第6弾。何と高槻刑事にコンビ誕生、しかも女性刑事！？ とまぁ新たな顔も登場して、形式も劇中劇のように進んでいって、新鮮でした。湊警視正は語り部として、高槻刑事は聞き手としての立ち位置だったため、今回の件（双子たちが中学生頃）は外部者のため出番は少なめ。かと思えば、高槻刑事は最後”彼”との対話が興味深かったです。
本シリーズを読み始めた当初は、双子のどちらかと言えば死神の兄貴に興味があったのですが、だんだんと関心が眷属の弟へと移っていくなぁ。分かりづらくて混乱させられるけれど、彼も傷つくのだなと。美樹の精神が不安定のためもあってかどれが事実か汲み取り辛いけれど。この双子って、互いを傷つけたり許したりして補っている印象。誰が上位だとか関係なく。
ところで今更なことですが、前回湊警視と行動共にしていたのって…私、片割れ間違って認識してたかもしれない。。
クセがある本シリーズは一度はまると中々抜けられない。
以下ネタバレ注意。
どうにも初登場の倫刑事に好印象を抱けないままでした。彼女よりも双子の背景を知っているからだろうか。正しくないとは言えないし、彼女の言い分にも理はあると思うけれど…。それでも最後あんな事になったのには絶句。油断できないよ…。存外しぶとそうなので、高槻刑事たちが持っていない要素が双子にどう影響を及ぼすのか興味があります。
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