『長い廊下がある家』有栖川有栖 [読書]
思わず拍手したくなる話もあった、シリーズ短篇集。全4編、どれも異色なものが多かった気がします。トリックの視点が新鮮に見える。どれもお気に入りの中、「ロジカル・デスゲーム」が特に好きかな。仕掛けの種明かしに最初はそういうものかのか?と思ったけれど、火村の説明に納得。極端に考えると確かに、と思う。見たままに尺を取ると足を引っ張られるぞ。
そしてアリス、アリスですよ…足掛け二十年にて(笑)。突拍子もない推理で場を和ませる(気を抜かせる)要員だったアリスが…ついに! 少し違和感を感じてしまうのは仕方ないですよね。めでたい、けど苦い。鋭利なほどに的確に謎を暴き犯人を糾弾する火村はかっこよく映るけれど、本人の心中はどうなんだろうか。
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