『鍵のかかった部屋』貴志祐介 [読書]
牢から出てきた男は愛する家族の無残な姿に呆然とする。一見すれば自殺だが疑惑を拭えない彼は防犯コンサルタントの榎本・青砥弁護士二人に依頼する(「鍵のかかった部屋」)。表題作ほか密室の謎を解き明かす4編を収録した、防犯探偵シリーズ第3弾。
やったー続刊! 今回も密室トリック豊富に取り揃えてました。特に好きだったのは表題作かな。トリックの内容はとても自分では推理できなかったものの納得した仕掛けが施されていた。しかしまぁ、えげつない。他3編も同じことを言えるけど後味が悪い。特に「密室劇場」は、コミカルな空気で進んでいたから余計に何とも言えない
2巻から間を置かずに読んだ3巻。やっぱり違和感が拭えない…青砥弁護士の天然推理爆走ぶりに! 彼女の推理発言がいつも張り詰めた空気の緩衝材に使われている気がしなくもない。その間抜けさ加減が面白い所でもあるけど、前巻の「黒い牙」で榎本の出番を待たずして解決した彼女の姿は一体…。 次回は挽回してほしいです。
残念に思う一方で前巻よりも嬉しかったのは榎本との掛け合いが多くなっていたところですよ!この二人のちぐはぐな感じで推理をしていく迷コンビぶりにニヤニヤ。自分の発言に榎本が面倒臭げにいなしたり宥めたり受け流したりと、そんな飄々とする姿に苛々する青砥弁護士の図が見てるこっちは楽しくてたまりません。次も出るはず!! 今度はまた第1作のような長編で二人の推理を見てみたいです。
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