『ロクサリーヌ夜話』榛名しおり [少女小説]
高級娼婦のロクサリーヌは、度々部屋に訪れては何故か一切自分に触れずに帰る海軍士官のガッシナに興味を持つ。行方知らずの妹のため条件の良い身請けを探すロクサリーヌだが、次第にガッシナに心惹かれていき…。
お久しぶりの榛名さん。まさかまた池上紗京さんとのタッグ作品が読めるとは!互いの過去や立場を考えると重たいのにひたすら二人の間は純粋で、真っ直ぐすぎてもどかしく。あー面白かった。 途中の”彼女”のあれこれや最後のネイガウスの行動に若干の不思議は残ったけど、最後まで一気に読んでしまった。なんというか、うねりを感じる作家さん。
男性の扱い方に長けているロクサリーヌがガッシナを気にすることで生まれた自分の感情(恋ってどういうものなんだろう)に戸惑うところとか好き。『アレクサンドロス伝奇』を読んでる人には少しオイシイ所も。最初の地図ページで懐かしい土地名が出ていたので、もしやと思っていたら! 久方ぶりに大好きな『王女リーズ』や『マリア』が読みたくなりました。奔流に巻き込まれる少女、の作品を描くイメージがある作家さんだけど本作はどちらかといえば自ら巻き込まれに行く少女のような。
タグ:榛名しおり
コメント 0