『九年目の魔法』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ [読書]
19歳のポーリィは自分の記憶に違和感を感じる。まるで二重になっているみたいに…。そして彼女は10歳の頃へと記憶を遡ろうとする。はじまりは、「お葬式」。大きなお屋敷に忍び込んだ彼女はリンさんと名乗る青年と出会って…。失われた記憶を取り戻そうとする少女の成長物語。
3日間ほど黙々とこの一冊だけ読んでました。中盤から色々なピースがはまっていって最後の展開に繋がる過程は熱くなって一気読み。面白かった!
見知らぬ大きなお屋敷に迷い込んだ少女ポーリィが出会ったリンさんとの掛け合いが…まるで『あしながおじさん』のようで微笑ましいです。彼は度々ポーリィへ本をプレゼントするのですが、この本たちが後に重要なポイントを持っていると分かったときはニヤリとしました。残念ながら、英国の名作と呼ばれる本は馴染みがなかったので仕掛けを最後まで気づかなかったんだけど…。数え切れないほど沢山のタイトルが挙げられていて、どれも読みたくなりました。
ただ楽しい話ではなく、「崩壊する家庭」をまざまざと見せつけられてやるせない気分になることも。ポーリィが嬉しいことや酷な状況に揉まれて段々成長していく姿を見守る話だったのかもしれません。 ロマンスを匂わせたりで、ちょっとドキドキしたり。魔法がさりげなく現代に見え隠れして存在感を示していたりで、興味深かったです。
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