『東亰異聞』小野不由美 [読書]
世は明治二十九年。魑魅魍魎が跋扈する帝都・東亰で一介の記者があるお家騒動に巻き込まれる話――だけで終わらなかったのが凄かった。 もう、凄いとしか言えないんですけど。 衝撃を受けたまま読み終わった一作です。 大好きですね!
導入は、得体のしれない黒衣と(何故か)話ができる美しい文楽人形の怪しげな会話だったので、こりゃ百物語風なのかしらと読み進めてみれば、中盤で
ようやく推理物だと理解しました。。 そこから初め話題になっていた世間を騒がす異形の者の噺とお家騒動とが繋がっていく様がわかって、ぞくりとした。 終盤に一連の騒動の決着が着きますが、そこが物語の着地点ではなく、もう一段階待ち構えていたなんてね。本来の姿が、異質さが、一気に放出されたと理解した時は、ああもう、驚愕という言葉で足りるのか。衝撃を受けましたよ。
一応「東京」に近いようでまったく異質の世界だった「東亰」でしたが、舞台背景はほとんど史実通りではないのでしょうか(歴史には疎いもので・・ 解説では パラレル東京と書かれていたような)。 京極夏彦の百鬼夜行シリーズ、霜島ケイの『封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ』あたりの作品も、似通った雰囲気だなぁと少し 思ったり。
一応「東京」に近いようでまったく異質の世界だった「東亰」でしたが、舞台背景はほとんど史実通りではないのでしょうか(歴史には疎いもので・・ 解説では パラレル東京と書かれていたような)。 京極夏彦の百鬼夜行シリーズ、霜島ケイの『封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ』あたりの作品も、似通った雰囲気だなぁと少し 思ったり。
暗く重たく何かが蠢いているような気味の悪さを肌で感じるような世界を、私は相当好きみたいです^^ さらに言えば魑魅魍魎などの怪奇や不思議さがある作品は好物なので、本作はストレートに大好物としか…。 読みやすいわけではないのですが読み応えのある本でした。
タグ:小野不由美
コメント 0