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綾辻行人『人形館の殺人』 [読書]

人形館の殺人 (講談社文庫)

人形館の殺人 (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1993/05/06
  • メディア: 文庫

亡父が残した京都の邸「人形館」に飛龍想一が移り住んだその時から、驚倒のドラマが開始した。邸には父の遺産というべき妖しい人形たちが陣取り、近所では通り魔殺人が続発する。やがて想一自身にも姿なき殺人者がしのび寄る。名探偵島田潔と謎の建築家中村青司との組合せが生む館シリーズ最大の戦慄。


戦慄した、ってこの本を読んだときに使う言葉じゃないかしら。
同著『緋色の囁き』を唐突に思い出しました。 館シリーズでも異色だ。

この”異色”っていうのは、トリックにしても結末にしてもそうなんだけど、今まで読んできた(と言ってもまだ3冊)シリーズとは何かが違っていた。 ホラー色も混ざっていて、ちょうど良く夜中に読んでいたわたしは見事にトイレに行けませんでしたよ(笑・どんだけだい)。
草一の周りで起こる怪事件。嫌がらせ。 そして時折過ぎる”過去”の断片。 首元からゾワゾワってきた感じ。

『十角館』の次に好きな1冊になったと思う。 あの結末部分にも衝撃を受けたけど。それまでの、草一に絡まり込んできた何か―犯行者への恐怖がじわじわと頁をめくるにつれ膨れ上がってきたのと、周到なまでの彼への報復行為、さらに恐怖をあおるような記憶、どの要素にも見事に翻弄されました。

本当、思い込みって恐いね。 この本読んで、ふいに思い出したのが乙一の『優子』。 視点の置き方が、これだって思いました。 似ている、かも。
もう一度読むときは、また違った目線で読めそう。再読が楽しみ♪

 

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タグ:綾辻行人
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コメント 4

リュカ

綾辻さんも好きです^^
この作品には本当に「戦慄」って言葉が似合いますね!
結構昔に読んだきりなのでまた読み返したくなりました^^
by リュカ (2010-03-10 21:26) 

みーはー熊

どうしてこうも中村青司の作る館には殺人事件ばかり起こるんだか…爆
本当に 夜読んでてゾクゾクした思い出が…。
by みーはー熊 (2010-03-11 00:30) 

ミナモ

>リュカさん 
わーい同士!笑
そうなんです、わたしが唯単にうといだけかと思っていたのでちょっと安心
しましたw
そうですねぇ、このシリーズ、特にこの巻は読むごとに受ける印象が
変わっていくと思うのでわたしも読み返すときが楽しみです♪
by ミナモ (2010-03-14 11:52) 

ミナモ

>熊姉さん 
そうなんだよね…特定の人が引きつけられる館なんだねぇ…。
ちょうど夜に読んでしまってなかなか眠れなかった者がここにも一人w
by ミナモ (2010-03-14 11:55) 

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