長野まゆみ『白昼堂々』 [読書]
1976年初冬。由緒ある華道家元の若き跡継ぎである原岡凛一は、従姉・省子の男ともだちだったアメリカンフットボール部のエース氷川享介と出逢う。その邂逅が、やがて二人の運命を変えていくことに…。冬から春、やがて夏へと移ろう季節の中で、彼等の思いはどこへ向かうのか。凛一の希みは叶えられるのか。少年たちの切ない恋を描く好評シリーズ第一弾。
よかった うん、これ好きだなぁ。
要するにBLなんだけど、でもそれだけで敬遠しないでって叫びたい。
確認したら、今まで彼女の本は2冊ほどしか読んでいなくて、そのテの要素が含まれる物語を静謐なタッチで書くひとなんだなという認識でした(うち1冊は若干過激な描写もあった)。
というわけで、わたしにとって3冊目の長野作品ですが、ここにきてとても波長が合った感じ。 いや、もう物語いっぱいに溢れる切なさがねぇ…!! 緩く締め付けられるようで始終胃がきゅっとなっていたけれど、すごく好みだなぁと感じました。好き。
主人公の少年は、同性に対して恋情を意識しているのに、想う相手(主人公の従姉妹の男友達・彼氏疑惑)に一向に報われず、「もしかして・・」な希望にも簡単には転がらずで…。 さらに多角関係などもさりげなく複雑に絡んであるしで。 一見泥沼化か!?と思われるような関係なのに、長野さんの文章だからか、そういった重苦しくて淀んだ風には思わなかったのが、すごいな。
まぁこの多角関係にどんな決着が待っているのか予測できずに(ひたすら悪い方向へと考えが向かってしまったので余計に)気になって一気に読んでしまっていたけどもー…。
この本は凛一を主役においた4冊のシリーズものだそうなので。 続く3冊も読みたいな。
ミナモさん、こんにちわ^^
最近の「レモンタルト」とか「白いひつじ」の感想を読んでいたら
この本を読みたかったことを思い出しました^^
うん、私もこの作家さん、好きな気がします。
文章とか言葉とか旧字体の使い方が好きだなぁ~。
話も凜一の恋がどうなるのか知りたくて、すいすい読みました。
同性しか愛せないのに、ノーマルな人を好きになっちゃった人の
心情は、きっとあんな感じなんだろうなぁ~とか思える。
報われないだろうけど、諦めることも忘れることもできないなら、
気持ちを知られることなく、ただ傍にいられるだけでいいと
思うしかないもんね?
でもさぁ、そんな気持ちを知ってなお、凜一を遠ざけるわけでもなく
接する氷川くんはどうするつもりなんだろうねぇ~。
あ~、気になる、気になる。
千尋兄さんも最初はよくわからない人だったけど、最後の方は
結構好きになってました。
人をおちょくったり、ストレートじゃないやり方で翻弄しようと
するとこあるけどね。
基本的には優しいんじゃないかと・・・。
シリーズ物で続きがあるんだよね。楽しみです!
by sherry (2010-08-29 14:02)
>sherryさん
こんにちは~♪
ハッ、わ、私このシリーズすっかり放置してました…っ。 図書館で目についた長野作品をとりあえず借りちゃ読み…だったので。
>文章とか言葉とか旧字体の使い方が好きだなぁ~。
そう、そうなの! 言葉の選び方、置き方。 あと、独特の雰囲気がとても好きだなぁと。
…それでも私の場合、長野さんはときどき苦手作品当たっちゃうんだけど。
でも、波長が合ったものは本当に好きだ!と思います。
実はですねぇ、この本読んでる最中、ムカムカしてました。 想いを、相手の為に抑えようとする凛一と、少し無神経な相手に対して。
でも気になっちゃうんだなー、この作品。全4作らしいので、ホント、この恋どうなるんだろう…(ソワソワ)
私も千尋兄さん、好き(ニヤリ)。 素直に優しくなれない彼に、失礼ながら悶えさせていただきましたとも!
あと、名前は失念してしまったけど、凛一に想いを寄せているらしい従兄弟も、これから絡んでこないかなぁ~と秘かに狙っていますw
私も探してよむぞー!
by ミナモ (2010-08-30 01:28)